IE9ピン留め

「シチリア」を追求するシチリア料理店 Il Pistacchio(イル ピスタッキオ)



2010年5月、シチリアに一人の青年が料理を勉強しに来た。その青年は、トラーパニで「トラーパニ料理」を勉強した後、シチリアを1ヶ月かけて一周しながら、シチリア各地の料理を勉強して日本に帰った。帰国後、数ヶ月してから、

「お店オープンします!」

という嬉しい連絡。そのお店はシェフ一人が料理もサービスもこなす、8席の小さなお店だ。シェフの「シチリア」への熱い情熱が関西のシチリアファンに広がるにはそう長い時間は要さなかった。数ヶ月後、既に「予約の取れない店」へと成長していたのだ。

そして、その青年は2011年11月、またトラーパニに戻ってきた。今度は、

「シチリアを、そしてシチリア人を肌で感じるために」

彼から

「カンティーナ シチリアーナで働きたい」

というメールが来たのは確かその数ヶ月前のことだったか。オープンしてたった1年しか経っていないお店を2ヶ月以上閉めて、シチリアに再来するというのだ。私も驚いたが、そこまでして「シチリア」を追求したい、、、という彼の想いを叶えてあげたかった。

カンティーナ シチリアーナのシェフ ピーノは二つ返事で快諾。青年はカンティーナ シチリアーナで2ヶ月間ほど働いて日本に戻った。


そして、先ほどブログでこんなエントリーを発見。

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イルピスタッキオ変わります。

・10月から3月までは野菜料理とお肉料理のみのご提供になります。
 4月から9月まではお魚料理のみのご提供になります。

※山や森にあるトラットリアはお魚料理ありません、また海沿いのトラットリアに
 ほとんどお肉料理はありません。

・カッフェラッテ、カップッチーノ、カッフェマッキアート、紅茶、止めます。
 エスプレッソコーヒーの美味しい飲み方、伝えていきたいです。
 コーヒー苦手な方には自家製リモナータご用意します。

※やっぱりカップッチーノ等、朝しか飲みません。
 食後に飲む?シチリア人はNOです。
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日本に帰国した時にイタリア料理店に行くと、違和感を感じることがある。それは何か?それが一気に分かったような気がした。

シチリアではその地方の伝統料理をメニューを変える事なくずっと作り続けるのだ。そして土地の人は自分のお気に入りの一皿を食べに来る。当然メニュー構成は「土地のもの」が基本だから、一貫性がある。青年の言うように、山のレストランで魚介料理はありえない。(あったとしても注文する人はほとんどいない)確かに日本では魚も肉も一緒に手にはいるわけだから、色々有りのメニュー構成が出来るわけだし、その方がお客様も楽しめるかもしれない。ただ、シチリアではそういうスタイルのお店は極少ないため、なんとなく違和感を感じる訳だ。

いや、これはシチリアだけではなくイタリア全土に共通する事だが、シチリアは観光客が大都市と比べると少なく、地元に密着した店が多いから余計に感じるのかもしれない。

青年はあくまでも「シチリア」にこだわる。何故そこまで?それはきっと私が「シチリア」にこだわる理由と似ているのかもしれない。ここシチリアは知れば知るほど強烈な土地だ。

青年のお店は大阪 茨木の駅の近くにある。関西地区に住むシチリアファンの方々、是非一度足を運んでいただきたいものだ。もう行ったし、、、という方も、再度足を運んでいただきたい。きっと新しいシチリアに出会えるはずだ。

■ Il Pistacchio(イル ピスタッキオ)
茨木市西中条町2-12 
tel.fax072-657-8733
ブログ http://alpadorino.exblog.jp/

# by lacucinasiciliana | 2012-02-10 05:23 | お気に入りのお店@日本 | Comments(0)

イタリア全土大規模ショーペロ(スト)で迷惑を被る人々



先週半ばにシチリアから始まり、今週はイタリア全土に広がったショーペロ(スト)。(詳しくはこちらを)新政権モンティが打ち出した増税や自由化に対する反発だ。そして今回のショーペロで一番大規模に行っているのが「トラック輸送会社」。ガソリン、車の保険増税、それに加えて高速道路の料金も上げられたのでは、もはや運営していけない、というのだ。ショーペロが始まり既に1週間が過ぎるシチリアではガソリンを始め物資が少なくなってきた訳だが、ここは農産物の大生産地。野菜や果物は「キロメートルゼロ(地産地消)」とあって不足はしていない模様だ。

もっともそれは農家直売の場合であって。

我が家の近所のスーパーでは先週末から既に野菜の棚が空っぽな状態が1週間以上続いている。スーパーは地元の産物を販売するわけではなく、倉庫で一括管理されている産物が大型トラックによって搬送されてくる。なので、農産物大生産地のシチリアのスーパーだって物資は不足するのである。

スーパーで物資が不足しているのは農産物だけではなく、ミネラルウォーター、牛乳、菓子、など大規模工場で作られて搬送されてくるもの全てが不足している。中でもミネラルウォーターや牛乳などの生活に欠かせないものは、先週末早々にトラーパニの全てのスーパーから姿を消した。


シチリアからは大量の農産物がイタリア全国にトラックによって輸送される。実際、北部のメルカートを覗くと「シチリア産」と書いてある野菜や果物をどれほど目にすることか。シチリアの農業はこうして外部に販売することで成り立っているのだ。しかし、このトラック輸送会社のストによりシチリアからの農産物の搬送は完全にストップしてしまった。野菜や果物も大量に出来てしまうわけだから収穫するしかなく。(収穫しなければ栄養分を奪ってしまうので今後の栽培にも影響が出てくる。)しかしその収穫した農産物は本来の売り手である中~北部イタリアには売る事ができないわけだ。その量は到底その街だけで消費できる量ではなく、とある街の農民市場では市民にプレゼントしていたそうだ。捨てるよりはマシ、、、とのことだったが、それでも大量に余る。売れないという事は当然収入もない、という事になる。農産物を育てるまでに投資したものが全て無駄となってしまうわけだ。もう1週間ほどこんな状況が続いているわけだが、このままショーペロが続けばシチリア全土で数億、いや数十億の損失となるそうだ。

一番上の写真は、昨日、トラーパニのメルカートに野菜を買いに行ったときのもの。並んでいた葉野菜達は3つ1ユーロ。「今日は安いね」、という私の言葉に、

「どこにも売る事が出来ないからね。捨てるよりは安く売って食べてもらった方がマシだよ。」

一方、ミラノやローマなどの大都市ではシチリアから流れてくるはずの物資が届かないため、農産物が不足しているそうだ。ローマの中央卸市場の映像をニュースで見たが、普段は築地ほどに活気のあるこの卸市場だが物資はほとんどゼロ。「トラックで来ると通してもらえないから、、、」と、小さな車で少しだけ野菜を運んで来ていた地元の生産者がインタビューされていた。農家も必死である。

個人的には今回のモンティ首相の出した政策は今の状況では仕方のないものではないだろうか、、、と思っている。が、トラックの運転手のように実際に大きく打撃を受けて生活が出来なくなる人が出てくる事も確か。そして、彼らが自分達の生活を守るためにショーペロを起こすことに寄って、被害を被るのが農家、、、誰が悪いとも言えない今回のイタリアの大規模ショーペロ。政府はトラックの運転手に対する緩和措置として高速道路の料金の国家予算を確保する、と一昨日発表した。ただでさえ停滞しているイタリア経済を、本格的にブロックさせないため、政府と国民が早く折り合いを付けて、この大規模ショーペロが早く解消する事を祈るばかりである。





# by lacucinasiciliana | 2012-01-27 19:05 | 食文化イロイロ | Comments(2)

2012年3月 REIの料理教室 in JAPANのお知らせ

2012年3月のREIの料理教室 in JAPANのご案内です。

前回同様、今回も一つの食材をピックアップして行うデモ方式のレッスン
「食材を使いこなすコース」
そして、実際に皆さんで料理をしていく参加型レッスンの
「シチリア伝統料理コース」
2コースの開催です。

食材を使いこなすコースの今回のテーマは「ドライトマト」。皆さんの食材庫に、冷蔵庫に、眠ってはいませんか?今回もドライトマトを有効活用する方法を伝授いたします!
シチリア伝統コースは今回は、アンティパスト、プリモ、セコンドに加え、ドルチェも作ります♪

* 全てのクラスが満席となりました。ただいまキャンセル待ちを受付中です。


■食材を使いこなすコース ~ドライトマト~■-------------------------------
3月11日(日)
昼の部 / 11:00~14:00 → 満席となりました
夜の部/ 17:30~20:30 → 満席となりました
参加費 8500円
開催場所  新宿区若松河田駅近く
(詳細はお申し込みの際にお伝えします)

*ドライトマトを使ったメニューを5品デモ方式でレッスン後、試食
グラスワイン・コーヒー付
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■シチリア伝統料理コース■------------------------------------------------
3月4日(日)
昼の部/ 11:00~14:00 → 満席となりました
夜の部/ 17:30~20:30  → 満席となりました
参加費 8500円
開催場所 渋谷区代々木公園駅近く
(詳細はお申し込みの際にお伝えします)

*menu'*
ブロッコリーのポルペッテ
ティンバッロ(パスタのオーブン焼き)
スカロッピーネ マルサラ風味
ピニョラータ(シチリア風かりんとう)
(注)食材調達の都合で変更させていただく場合もあります。ご了承下さい。
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ご参加を希望される方は

・希望のコース
・希望の時間帯(昼の部 or 夜の部)
・人数

をご記入の上、

giappone★tavola-siciliana.com (★を@に変えてください)

までご連絡下さい。

皆様とお会いできる事を楽しみにしています❤

# by lacucinasiciliana | 2012-01-22 22:44 | REIの料理教室@JAPAN | Comments(0)

テーブルセッティングという習慣



イタリアでは食事をする前に必ずテーブルクロスを変える。そして、食事が終わると又すぐにテーブルクロスを変える、、、。まるで食事をする前の儀式のようだ。

イタリア人の家はいつもピカピカだ。床もピカピカ、そしてキッチンのシンクもピカピカ。「あとで洗おう」とシンクの中に置いてある使った食器もなければ、ガス台の上には「後で温めて食べる用」の鍋もない。テーブルの上ももちろんきちんと整理され、テーブルセンターにはお花やフルーツが入った陶器などが置いてあり、常日頃からテーブルセッティングがされている。イタリア人の家はそこで生活をしているにも関わらず生活感がない。

私がお世話になるドミンゴ家では、「特別な日のクロス達」がある。それはマンマが手刺繍で作ったテーブルクロスだったり、ここぞ!という時のために買ったものだったり。もちろんテーブルクロスとセットでナプキンもおそろいだ。

上の写真は2012年のお正月ランチの時のセッティング。赤で統一したクリスマスとは打って変わって、新年らしく清清しい白を貴重としたテーブルクロスだった。



クロス類だけではなく、「特別な日の食器」もある。年に数回お目にかかるこの白に金の縁取りのお皿は、マンマとパパが結婚したときに誂えた食器セットらしい。同じくナイフやフォークなどのカトラリー達もその時に揃えたもの。50年近く経っているのに、お皿はまるで新品のように光っている。

こんなところにイタリア人の食に対する真摯な姿勢が見え隠れする。

テーブルクロスを変えるという儀式は

「これから食事をする」

という、しっかりとした意思表示であり、食事の時間を大切にする、というイタリア人の意気込みであろう。シチリアでは未だに家族全員で毎日食事をする家庭も多く、食事の時に雑誌や新聞を読む人もいない。テレビは付いていたとしても皆が黙って見入ってしまう事は無く、ニュースを見ながら皆が意見交換を始める。「家族団欒」とあえて言う感じもなく、当たり前のようにこんな風景を見る。そして食事が終わってテーブルクロスを変えると「食事が終わった」という暗黙のサインとなるのだ。

こうしたテーブルセッティングに関する習慣は、いかにイタリア人が「食」を大切にしてきたか、を表しているのだと思う。そして、現在も「食」に対する執着というか、意気込みというか、そんなものを感じる。

私もイタリアに来てからは一人で食事するときでもテーブルクロスを変えている。そうする事で、ダラダラとなんとなく食べるのではなく、

「大地の恵みをを感謝しながら味わって食べる」

という気持ちになれるからだ。きっとイタリア人も同じような気持ちなのだと思う。

日本では忙しいライフスタイルからなかなかそんな事をするのが難しいと思うが、週末だけでも是非試していただきたい。テーブルクロスを変えるだけで、不思議と「食」に対する姿勢が変わるような気がするから。

# by lacucinasiciliana | 2012-01-12 16:22 | 食文化イロイロ | Comments(0)

新年オリーブオイル談義

先日、Venvs et Salvsのオリーブオイル生産者アルベルト氏の事務所に、3月に行われるオリーブオイルセミナーの打ち合わせのために足を運んできた。10月のオリーブ収穫期から年末にかけては非常に忙しいアルベルト氏。なかなか細かい打ち合わせも難しいのだが、年明けは年に数回の時間に余裕がある時期らしく、午前中を費やしてじっくりと第一回目の打ち合わせをしてきた。

今回のオリーブオイルセミナーのお題は、

「欠陥オリーブオイルを見分けよう」

欠陥オリーブオイル、、、というと、ちょっと引くかも知れないが、これこそ美味しいオリーブオイルを見分けるための第一歩。欠陥オリーブオイルがどんな臭いがして、どんな味がするかを知らずしては、美味しいオイルを見分ける事も難しい、、、という訳だ。アルベルト氏にとっても私にとっても、ここに辿り着くために1回目、2回目のオリーブオイルを開催したと言っても過言ではない。今回だけ参加したとしても、今後色々なオリーブオイルを試飲するにあたって非常に有益だと思われる。

という事で、打ち合わせの内容もおのずと欠陥オリーブオイルの話となった。どんな欠陥があるのか、それは何に由来するのか、、、私も今までの実地訓練と2010年に受けたオリーブオイルテイスター講習で色々と勉強してきたが、今日アルベルトが生産者の立場から説明してくれた内容は、経験上積み重ねてきた知識であって机上の空論ではなく目からウロコの事実も多かった。

そんな中、昨日、私の友人であるラツィオ州の生産者から電話がかかってきた話をした。実はこの生産者、

「2010年のオリーオイルをアルベルト氏に試飲してもらって感想を聞かせてほしい」

と、頼まれ、去年、私とアルベルト氏でラツッィオから送られてきたサンプルを一緒に試飲した。それは、私にでもすぐに分かるほどの「欠陥オリーブオイル」だった。

そして昨日の電話で、

「今年はコンサルタントを頼んで、フラントイオ(搾油所)を変えて、ブレンドも変えてみた。」

と言っていたのだ。そのコンサルタントはアルベルト氏と私の共通の友人でもある。それをアルベルトに伝えると、

「ふ~ん、2011年のオイルを是非試飲してみたいものだね。」

「でもフラントイオを変えれば、どう考えたって少しは改善されるんじゃないの?おととしまでのフラントイオは古い機械だけど、今年のところは新しい機械だ、って言っていたし」

という私の短絡的な意見に、

「新しいマシーンはね、それを操る人が優秀じゃなければ、古いマシーンで作るより良くないオリーブオイルが出来る事も多々あるんだよ。オリーブの状態だって様々だからね。それを見極めて作らないと。僕のフラントイオの最新マシーンはうまく使いこなせば、そりゃ極上オリーブオイルが出来るわけだけれど、僕は古いマシーンでも極上オイルを造る事ができるんだよ。でも、そのためには最新マシーンで作るより、もっともっと色んな事に気をつけなければならないだろうし、精神的な負担は大きいけれど。古いマシーンでもそれを操る人が優秀だったら、良いオイルが造れるんだよ。」

アルベルト曰く、オリーブオイルはF1に似ているのだと。例えば、いくら車がフェラーリだってそれを乗りこなすドライバーがいなければ勝つ事はできない、と。フェラーリ(最新のマシーン)とそれを乗りこなすドライバー(マシーンを操る優秀は生産者)が合致したときに勝つ事ができるのだと。

「それにね、オリーブオイル造りに一番大切なことは”信念”みたいなものなんだよ。コンセプトなきオリーブオイルは個性が無い。どういうオリーブオイルにしたいのか、イメージする事がすごく大切なんだ。そして、まずはそのイメージに近いオリーブオイルが出来るようなオリーブを育てる事が大切。そしてイメージ通りにオリーブが育ったら、次はそれをどうやって搾油するか、、、そんな事をいつもイメージしながら造るんだよ、オリーブオイルは。」

ちなみに私達が展開するオリーブの木オーナー制度Venvs et Salvsのオイルはどんなイメージだろうか、、、。私が思うに「広大な草原に立つ白いヴェールをかぶった女神、そして後ろにはうっすらと青い海が見える、、、」、そんな感じか。アルベルト氏に聞くのを忘れたが次回聞いてみたいと思う。

自然と人間の知恵の産物であるオリーブオイル。醗酵という過程がないためワインほど複雑ではなく、それが故にその年のオリーブの状態が非常に品質を左右するものだ。そして状態の良いオリーブを育てるために、生産者達は1年中手入れを欠かさずにオリーブの木を愛でるのであった。

2011年は私にとっては「オリーブオイル年だった」と言っても良いほど、オリーブオイルにどっぷりと浸かった1年だった。そんな中でムクムクと湧いてきた私の野望、それは

「自分でオリーブオイルを造ってみたい」

自分がイメージするオリーブオイルを作るために、自分で苗を選び、育て上げ、いつしか「自分の理想のオリーブオイル」を造ってみたい、と思うようになった。自分で造ってこそオリーブオイルの真髄が分かるような気がしてならないからだ。

オリーブの木には不思議な魔力がある、、、

そんな話を聞いた事がある。私もその魔力に慿りつかれてしまった一人なのかもしれない。


# by lacucinasiciliana | 2012-01-06 19:20 | オリーブオイルのお話 | Comments(2)

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