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2000年前から伝わる古代塩の製法; トラーパニの手作りの天然海塩

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トラーパニと言えば塩、塩と言えばトラーパニ、、、というくらいイタリアはおろか、世界にその美味しさを轟かせているトラーパニの天然海塩。それは、大地の恵みと人間の知恵とが合体して産まれました。

トラーパニ南側の海岸から更に南下してマルサラの海岸まで、石で区画が区切られた田んぼのような景色、それが「塩田」です。2000年ほど前、この地にやってきた地中海の民、フェニュキア人達は、この辺りの海水の塩度が高いこと、ヨードを始めとしたミネラル分をたくさん含んでいること、そして太陽の光が強く更に1年中風が吹いていることから、この地を「塩作りの理想の地」として塩作りをはじめました。

「海水を塩田に引き込んで太陽と風の力を利用して塩を結晶化させる」

古代から伝わるこんな単純な塩の製法は、現在も当時と変わらぬ方法で作り続けられています。

3月下旬に海から引き込まれる海水は、3~4ヶ月を経て、ゆっくりゆっくり水分が蒸発していきます。7月中旬になると、塩は結晶化を始め、それと同時に塩の収穫が開始。塩の収穫は人間の手によって行われるため、底に沈んだ沈殿物(ゴミ)を避けて収穫することができます。なので、通常行われる「水による洗浄」が行われず、もともと塩に含まれているミネラル分が失われずたっぷりと塩に残っているのです。これが、トラーパニの塩の美味しい秘訣。

こうして7月中旬から9月中旬まで塩の収穫は続き、その後、冬にやってくる悪天候のため、瓦をかぶせて屋根を作ります。冬の塩田の風景は、瓦の屋根をかぶった塩の山がいくつもいくつも連なっています。こうして冬を越した塩は「えぐみ」が抜けてまろやかな塩に変身するそうです。そして翌年、3月以降、やっと山から崩されて製品として出荷することが可能となります。1年という長い時を経てやっと美味しい塩となるわけです。

塩田の風景に欠かせない「風車」。これは昔は水を移動させるため、そして、結晶化した塩を細かく粉砕するための動力として使われていました。風が強い地帯だから風車の力もフルに発揮できたのでしょう。(現在は風車は使われず、小さなモーターを使っているそうです。)

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(左上)4月ごろ、海から海水を引き込むにあたり、塩田を清掃します。こんな風景が見え始めると、夏の始まりを感じるシチリアです。


(右上)7月中旬から始まる塩の収穫。スコップを使って収穫した塩は、まずは小さな山に積み上げられます。規則的に山が並んでいるのは、収穫を始める前にきちんと筋をつけているため。


(中左)小さな山から半年間、保存するために大きな山にします。手押し車を使い機械の下まで運ばれた塩は、ベルトコンベアーで上まで運ばれ、機械の一番上から出てきます。大きな塩の山は最終的に台形となります。台形は、底辺、上辺、側面の長さから重さが測量できるらしく、ほぼ同一の形に仕上げられます。


(中右)冬の悪天候から塩を守るため、瓦がかぶせられます。一枚一枚、手でかぶせられた瓦は、滑り落ちないようにきちんと組み合わされています。こうして、半年ほど寝かせることで、塩のえぐみを抜きます。


(下左)翌年の4月ごろ、塩の山は瓦をはずしいよいよ製品となります!


(右下)瓦の中から出てくるのは、真っ白なクリスタル!塩の結晶がとっても美しいです。



こうして、じっくりと時間をかけて作られたトラーパニの手作り天然塩は、どことなくほんのり甘いのが特徴。100%天然素材なので、ツンとした人工的な味がする塩とは別物です。料理には欠かせない塩ですが、塩が変わると料理の味も変わるっ、、、こんな体験はありませんか?トラーパニの塩を使い始めてから、もはや他の塩が使えなくなってしまった私。それほど美味しいんです。料理がまろやかに仕上がります。

日本に輸入されている「シチリアの海塩」と表示されているものは、99%がトラーパニ産だと思います。(関係ないですが、シチリアには実は内陸部に岩塩も存在しています。)「シチリアの海塩」、見つけたら是非試してみてください。
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by lacucinasiciliana | 2010-05-11 06:33 | シチリアのオイシイモノ色々
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