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ケッパーの花

「シチリア食材」と言って真っ先に頭に浮かぶもの、私の中ではなぜか「ケッパー」。イタリア語では「capperi(カッペリ)」。

ケッパーと言えば、シチリアの中でもアフリカに程近いパンテッレリア島と、シチリア北部のエオリア諸島のものが有名。湿度を嫌うこの植物は、雨が多いところでは育ちません。街のはずれの崖っぷちからチョロリと枝が垂れ下がっているのを良く見かけるのは、岩には水気がたまらないから。パンテッレリア島もエオリア諸島も風が強いのも幸いしているらしく、ツボミがキュッとしまるそうです。

「ツボミ」、、、と書きましたが、ケッパーは花が咲く前のツボミを収穫したもの、、、ってご存知ですか?今月6月はケッパーの収穫時期。シチリアのあちらこちらでケッパーのお花を見かけます。

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ケッパーの花は白い花びらに紫の長いおしべがとっても印象的。花の命は短くたったの1日でしぼんできます。そして、お花の周りにあるツボミたちが、ケッパーの正体。写真のものはだいぶ開きかけてきていますが、もう少しツボミが小さい状態で収穫。それを「塩漬け」にして保存します。日本では「酢漬け」の瓶をよく見かけますが、個人的にはケッパー独自の風味が酢の味に消されてしまっている感じがします。一方、塩漬けのものは、軽く塩を洗い流して料理の調味料として使うと、イタリア料理がシチリア料理に大変身!

去年の6月、パンテッレリア島に行ったとき、ケッパーの畑も見てきました。そのときに私がいつも思っていた疑問の真相を知りたく、農家の人に聞いてみました。

「ケッパーは大粒よりも小粒のほうが美味しい、、、って聞いたけどほんと?」

農家の人曰く、「大小は味には関係なし」、との事です。ただ、「用途」で使い分けていると。たとえば、トマトソースなどに入れて味を出すために煮込むときには大粒を、一方サラダなど、ケッパー自体をパクッ!と食べちゃうような場合には、味のバランスを考えて小粒を、、、。(大粒を食べると口の中がショッパイ&ケッパーの味のみになっちゃいますので)小粒の方が価格が高いのは、同じ1キロの中の個数で比べると小粒のほうが断然粒の数が多いから。つまり人件費です。ケッパーの木は低いため、腰を曲げて手で積みます。そのため収穫にはとっても労力が必要だそうです。

日本ではあまり使い方が知られていないせいか、イマイチ主役になりきれないケッパーですが、うまく使いこなすと非常に美味しい調味料となるんですよ。いつかケッパーの美味しい使い方を日本でご紹介したいものです。
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by lacucinasiciliana | 2010-06-07 03:22 | シチリア・旬の食材
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