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創業1824年、超老舗のシチリアワイナリー Duca di Salaparuta(ドゥーカ ディ サラパルータ) 

私が始めてシチリアワインと出会ったのは、イタリア料理店で働き始めた十数年前の事。当時はシチリアワイン、といえば「Corvo(コルヴォ)」が定番。私の記憶では、他のシチリアワインはほとんど見かけず(いや、あったのでしょうけどね)、南イタリア料理屋さんにCorvoは欠かせないワインだったのです。

それから20年近く(!)が経った今、、、私、このCorvoを作るワイナリーDuca di Salaparutaから車で1時間半くらいの場所に住んでいるのです。Duca di Salaparutaはパレルモ近郊にあります。先日近くに行く用事があったので、ふっと思い立って寄ってみました。

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Corvoがあまりにも有名ですが、ワイナリーの名前は「Duca di Salaparuta(ドゥーカ ディ サラパルータ)」。Corvo以外のワインも色々と生産しています。

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→こちらが創始者のDuca di Aalaparuta(サラパルータ公爵)。なんともオヒゲが印象的なお方です。当時、ワイナリーのあるパレルモ近郊の田園地帯では、街(パレルモ)の貴族達が田園地帯に農場を開拓するためにどんどん郊外に館を建て始めていました。パレルモ近郊の盆地は「Conca d'oro(コンカドーロ)=黄金の盆地」と呼ばれ、肥沃な大地と豊かな水で、農地に適していたそうです。こんな土地で、「自らの館でお客様をもてなすために美味しいワインを、、、」、とワイン造りを始めたのがワイナリーの始まりだそうです。創業なんと1824年!今年は2010年なのでなんと186年の歴史です。。。。

当時、各国の大使や、貴族、重要なお客様を迎えて美味しいワインを振舞ったサラパルータ公爵。招かれた人達はそのお礼として、振舞われたワインを各国に輸出し始め、こうして「サラパルータワイン」はヨーロッパ各国に名前が広がって言ったそうです。

代が変わって息子の代、2代目になると、これまたどんどん拡大して、イタリア国内だけではなく、アメリカ、南アメリカ、オーストラリア(!)にも輸出。合計10万本のワインを売るくらいにまで成長したそうです。フランス人の醸造家を招きワインの質の向上に努めたサラパルータワインは、後々、ブリュッセル、ロンドン、パリ、マルセイユ、ローマなどで行われていたコンテストでも賞を総なめするようになったそうです。

とこんなに絶頂期を極めたサラパルータワインですが、時が移れば情勢も変わるもの。第二次世界大戦などの影響で運営が難しくなり、結局1959年、州が運営するようになり、現在はアマレットで有名なILLVA Saronno社のホールディング会社の一員となっています。

あら?どこかで聞いたようなこの話、、、、。そう、マルサラワインの雄Frolio社(フローリオ社)も同じような経緯をたどってILLVA Saronno社のホールディング会社の一員となりました。という事で、Frolio社とDuca di Salaparuta社は現在兄弟会社、という事で運営しています。

本日のご案内役、Viviana(ヴィヴィアーナ)さん。生粋のパレルモっ子だそうです。

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地図を見ながらブドウ畑がある場所を説明してくれました。赤ワインに使われるブドウは主に東のエトナ山近辺、南東部のヴィットーリア近辺、白ワインに使われるブドウはトラーパニ県やアグリジェント県、その他、ブドウの品種にあった土地を探して栽培しているそうなので、シチリア全土にブドウ畑が広がっているそうです。

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棚いっぱいに並ぶ古いワイン。昔のラベルの割には随分オサレ。今でも十分通用しそうなデザインです。

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Corvoが貯蔵されている樽。オークの樽を使っているそうですが、バリック(樽)効果を期待して樽に保存しているわけではないらしいので、樽は何十年でも使うそうです。

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こちらはCorvo以外の樽熟成ものが並んでいます。こちらはフランス製樽(バリック)。棚は丸くなっていて樽が回転できるようになっています。このシステムは常に同じワインがが栓の近くに存在していることを避けるためのシステムだそうです。栓の近くには若干(本当に少ーーーーーしですが)の空気が入り込むため、こうして樽を回転させることで一箇所のワインだけが空気の危機に触れることを避けるためです。右に左に30度ずつ傾けるんだそうです。

さて、タップリと説明を聞いた後は、お楽しみの試飲タイム!

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Corvoを、、、とも思ったのですが、今日は飲んだこと無いものを試飲させてもらいました。

■ KADOS(カドス)
Grillo(グリッロ)種 100%
サレミ(トラーパニ県)の300m地帯で栽培

第一次醗酵の段階で55%のモストをオークの新樽にて40日ほど、ゆっくりと醗酵させるそうです。その後は、セメントの樽で熟成期間に入るわけですが、最初に樽を通っているからか、軽く樽香、、、というか、甘い香りがします。(バニラn香り、とか良く言いますけどね)白ですがしっかりとした白ワインなので、鶏肉のグリルにレモンをタップリ絞った一皿なんていうのが合うのではないでしょうか??

私が初めてCorvoに出会った頃、トスカーナやピエモンテの高価なワインが主流だった日本。かつて大量生産が主流で、ワインを造るためのモスト(ブドウジュースの状態)としてシチリア以北の州に送られていたシチリアワイン。(サラパルータワインなんかは別として)ところが1980年代以降、シチリアワインは若手の生産者が「高品質なシチリアワイン造り」を目指し始めて、どんどん改良され、ステキなエチケットを付けて販売されるようになったシチリアワインは、もはや「シチリアワイン=お手頃価格の高品質ワイン」というイメージを持たれるようになるまで成長したのです。

2年前のある日、とあるレストランでテーブルに運ばれてきたワインを見ると、、、Corvo(コルヴォ)。日本で飲んだ時は特別な印象がなかったCorvo。15年ぶりの再会だったわけですが、これがなんと美味しいじゃありませんか、、、。ここ15年間の技術の進歩は目覚しいものがあるのでしょうね。

ワイン大好き!の私ですが、このブログではワインネタがまったく無かったことに気が付いた私、、、、(汗)これからはワインネタもちょこちょこ登場させようかと思っています。

3つのブログを抱え、更新が鈍ってきています(汗)このブログは私のライフワークとして、「食の記録」を残して行きたいと思っています。他のブログに比べ、ひとつのエントリーを書くのに時間がかかるため更新はゆっくり、、、となっていますが、辞めたわけではありませんよーーーーーー(笑)末永くよろしくお願いします♪

★以前ワールドフォトクリップお世話になっていた朝時間.jpに、心機一転、朝時間.jpの公式ブログとして連載をスタートすることとなりました「シチリア料理研究家佐藤 礼子のボーノな毎日!」というタイトルで、シチリアにこだわらず料理研究家としての私の朝を皆さんにお届けします。ということで、ブログは3つではなく4つになっています、、、(汗)いずれもどうぞ宜しくお願い致します♪ 
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by lacucinasiciliana | 2010-08-09 18:28 | シチリアワイン
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