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クスクスの女王マリルーがいるお店 「Pocho(ポショ)」@San Vito lo Capo

トラーパニに伝わる伝統料理の代表と言えば「Cous cous(クスクス)」。魚介類のスープをたっぷりとしみこませた「トラーパニ風クスクス」は一度食べたら忘れられない味。トラーパニにいらしてくださった多くの食通日本人の面々を見事に唸らせた一皿でもある。そんなクスクスの女王と言われるマリルーがサン ビート ロ カーポの少し手前の小さな村マカリにいる。

パレルモ出身のマリルーは、トラーパニのクスクスに魅せられて、サン ビート ロ カーポで地元民たちに作り方を教えてもらい、ついには自分のお店を開いた、、、という伝説の女王である。現在は、トラーパニのクスクスをイタリア中に広げようと、各地でプロモーション活動も行っている。そんな彼女のお店は地中海を見渡す事ができる絶好のロケーションにある。

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こんな美しい海を見渡すテラスで食べるクスクスはさぞかし美味しいだろう、、、。

さて、トラーパニのクスクスは粗挽きの硬質小麦(シチリアでは”セモラ”と呼ばれる)から作ることは、このブログの読者の方々ならばもうご存知であろう。セモラを水と少しずつ混ぜながらクスクスを作り1時間半しっかり蒸す、と長い時間をかけて作られるクスクスは、トラーパニでも日曜日に食べるご馳走。なのでポショでもクスクスを食べることができるのは日曜日のみ。私も何度かポショには来たことがあるが、マリルーのクスクスを食べるのは初めてだ。

お店はマリルーの趣味か、シチリアだからか。青と白の食器とカトラリーでまとめられた爽やかなテーブルコーディネートが目を引く。
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美しい海を見ていると、

「アペリティーヴォですよ」

という声と共に持ってこられたのは、シチリアレモンたっぷりの食前酒とおつまみのパネッレ。

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意外と強い食前酒だが、「シチリアレモンのミネラルがたっぷり感じられるせいか意外とアルコールは感じない、、、」とか、「パネッレはほら、パレルモの市場で売っていたあの揚げたひよこ豆のスナックよ」とか、離している間にクスクスが運ばれてきた。

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まずは、新鮮な魚をたっぷりと使ったスープをたっぷりとクスクスに染み込ませた「Cous cous Trapanese(トラーパニ風クスクス)」。伝統の一品である。一般宅ではクスクスはプリモとして、魚はセコンドとして食べるのが一般的だが、ポショではクスクスも魚も一緒に登場。お皿の上の魚はコチ、アナゴ、そして鯵だった。たっぷりと染み込んでいるクスクスに更にスープをかけて”汁ダク”にしながら食べるのがトラーパニ流。トラーパニでも多くのクスクスを食べてきたが、ポショのクスクスはとってもスパイシーな感じがしてアラブの香りを強く感じるのが特徴だ。素直に美味しい、と思える一皿であった。

レモンのシャーベット(これが美味しくってもっと食べたかった!)をお口直しに食べた後、今では幻、、、とまで言われる「肉のクスクス」が運ばれてきた。

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こちらはスープは既に染み込ませてあるものだけで、具の野菜も中に入っているため、上からかけるものはなにもなし。なんとなく丼ぶり、、、っぽい感じもした一品。これも魚のクスクス同様、すごくスパイシー。どことなくカレーっぽい感じを受けたのは私だけであろうか、、、。どこかで食べたような気がする、でもどこで??日本人の口にはとっても馴染みやすい味ではないだろうか。

さて、最後はマリルーオリジナル、と言われるクスクスドルチェ。

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クスクスがドルチェに!?と驚かれるかも知れないが、実はこの日、私的なヒットはこのドルチェだったのだ。たっぷりのナッツ類と甘さ控えめのオレンジのコンポート。そしてクスクスには欠かせないスパイスの味、、、。ドイツ菓子を彷彿させるようなシックな味だったのだ。今度ぜひとも自宅で試してみたい一品だ。

ポショはシチリアに良くあるドーン!というお食べ地獄的な盛り付けではなく、非常に上品、且つ、シチリア的には非常にポーションが少ないお店でもある。クスクスをたっぷり食べた後でも腹8分目くらいだろうか。非常に優雅な日曜日のランチであった。

女王マリルーは時折テーブルに顔を出し、

「クスクスどうだった?」

と聞いて周っていた。一度、クスクス談義でもしてみたい、と思った私であった。

<店舗データ>
Pocho(ポショ)
住所:Località Isulidda - MAKARI - 91010 San Vito lo Capo(TP)
TEL:0039 0923.972525
URL:http://www.pocho.it/

*宿泊施設もあるので、宿泊しながら料理を楽しむのもオススメ。
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by lacucinasiciliana | 2011-06-03 19:51 | シチリアのオイシイ食堂
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