2010年 08月 23日 ( 1 )

ビオディナミカな夜

毎日暑い日が続くシチリアです。日本でお盆に当たる8月の中旬、ここイタリアでも8月15日のFerrAgosto(フェル アゴスト=聖母被昇天祭)の前後の週は、多くの人がお休みを取ります。そしてヴァカンスにいく人も多ければ、実家に戻る人もたくさんいます。ここシチリアからイタリア北部を中心に仕事のために移住した人は、ヴァカンスと帰省が一緒に出来る実家へとゾロゾロと戻ってきます。

f0226106_18235760.jpg先日、そんなヴァカンス+帰省組みのC氏の幼馴染のチッチョ(フランコはなぜかシチリアでは”チッチョ=デブ”と呼ばれます・笑)のおうちに招かれました。電話がかかってきたときに、

「オレのビオディナミカのオリーブオイルを試飲しに来ない?」

と。

ビオディナミカとは、、、。

Bio(ビオ)農法=化学肥料や化学合成肥料などを使用せず無農薬で栽培。畑は農薬などを使用せず、肥料も鶏糞などの自然のものが使用

Bio dinamica(ビオディナミカ)農法=BIOの取り組みに加え、「植物と天体の関連」を取り入れた農法。ビオディナミカでは畑を取り巻く生態系を最も重視し、化学薬品・肥料を否定。その代わりに自然界に存在する物質を調合した調剤を使用して土壌や植物の能力を引き出すとしています。そして、農作業、剪定の日などは、すべて天地占星的なビオカレンダー(写真右)に基づいて行われ、月の様相や月の公転面の昇降、太陽における地球の公転面の昇降における地球への気圧や引力、潮力の影響など、天地占星的な要素を多分に含むのも特徴。

というのが定義を要約したところ。なんだか難しいような話ですが、そういえばドミンゴパパも同じような事を言っていたっけ。ただ、パパの場合は、ビオディナミカという農法を知って行っていたわけではなく、昔からの言い伝えや自分の経験から習得した知識だそうです。(昔の人の知恵ってすごい!)

ビオディナミカはイタリア中部~北部では非常にメジャーな農法なようですが、ここシチリアではまだまだ「???」という感じ。「ビオディナミカ」という言葉を知っている人は多くても、それを実践している人は極少でしょう。私も、ここトラーパニで「ビオディナミカ」を実践している人に出会うとは!ちょっとした驚きでもありました。

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さて、「チッチョのビオディナミカオイル」をとっても楽しみにしていた私ですが、、、。彼らのキッチンにもう目は釘付け!!キッチンの壁のタイルは自分達でデザインを選んでサイズに合わせて特注したものだそうです。一見ただのタイルに見える白い部分も全部手作り。相当カワイイ♪ 写真に写っているのはチッチョの奥さん、Sara(サラ)。シチリア出身じゃないので、シチリア語、じゃなくイタリア語を話します(笑)この家、1年に数ヶ月、夏とオリーブ収穫の間過ごすらしいですが、それにしては非常にきれいにリフォームされていました。ビオディナミカ実践者らしく、家の壁も石も材料は全て天然素材。できるだけ化学的なものは避けたそうです。

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私とサラがおしゃべりしている間、男どもは下でジュージューと魚焼き。このBBQスペースもチッチョのお手製だそうで。レンガを組んだ上に網を乗せ下には炭をおこすスペースを、、、と簡単な装置ですが、こんな事を簡単にやっけのけちゃうのがイタリア男。(シチリア?)チッチョだけではなく、どの家にもフツーにこんなものがあったりします。(@田舎のおうち)

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さて、2階のテラスにて食事開始です~♪

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この日のプリモは「ガスパッチョ シチリア風 チッチョのビオディナミカオイルと一緒に」。このガスパッチョ、、、どこかで食べたことある、、、と思ったら、おなじみのペスト トラパネーゼ(トラーパニ風のペースト)!それをミキサーでブンブン回してクリーミーにしたもの。彼らは夏の食欲が無いとき、こうして冷たいスープとしてパンと一緒に食すそうです。なるほどね~。

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ボトルに入ったのがウワサの「チッチョのビオディナミカオイル」!去年は諸事情によりオリーブオイル生産ができず、おととしのオイルだそうです。それでもサワヤカなグリーンの香りがしてとても美味しかった。今年の初物を試飲させてもらうのが楽しみです♪オイルの横にはオレガノ、塩、コショウが小さな器に入って置かれていて、「足りない味はご自分でどうぞ~」と、気の利いたプレート。

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本日のワインはシチリアワインで、、、と思ったら何故かトレンティーノの「Muller Thurgau(ミュラー トゥルガウ)」(爆)チッチョ曰く、「うまきゃいいんだよ!」ですって(笑)通常、ミラノ近郊に住む彼ら、北から持って帰ってきたそうです(笑)確かにさっぱりしていて美味しかったですけどね。

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男どもがジュージュー焼いていたカジキはセコンドで。イタリアンパセリ+レモン+チッチョのビオディナミカオイルで作った特製チッチョソース(笑)をかけて召し上がれ~。

食事をしながらビオ農法やビオディナミカ農法、そして現在の農業の情勢なんかを熱く語った夜でした。チッチョのオリーブオイルは自家(&お友達)消費用。なので、ビオディナミカの認定は受けていません。生産者レベルでは非常に熱いビオやビオディナミカですが、やはり政治的なものが絡んでくると色々と裏があったり、、、そんな状況を色々と語ってくれました。ビオディナミカはホメオパシーの原理とも似ているところがあり、そんな事から自分の体調不良をホメオパシーで管理している、というチッチョ。生まれながらのアトピー性皮膚炎の私はそんな話も気になりました。

「本当はここシチリアでビオディナミカを実践しながら野菜も作りたいんだけどね」

というチッチョ。現在は仕事の都合でミラノにいますが、いずれはシチリアに戻ってくるといいな~。

今年の日本の猛暑に代表されるように生態系が狂ってきている今の地球。ビオディナミカのように自然の生態系に戻すという考えはとても重要な事だと思います。今回のチッチョとの熱いトークで更にそういう思いが強くなった私でした。街の中で暮らす私にはなかなか難しいですが、少しずつ自分の生活の中にも「何か」を取り入れたい、、、と思った夜でした。


「シチリア料理研究家佐藤 礼子のボーノな毎日!」もヨロシクです!
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by lacucinasiciliana | 2010-08-23 18:24 | 食文化イロイロ