2011年 08月 26日 ( 1 )

乾いた大地に生きる ~フェンネルシード~

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先日、マルサラのド田舎をかっ飛ばしてとあるカンティーナに向かう途中、夏の暑さで乾き切った茶色い土地の道路脇に小さな黄色い花が咲き乱れていた。そうだ、そろそろフェンネルシードの季節だな、、、。

フェンネル=ういきょう、イタリア語では「フィノッキオ」と呼ばれている。イタリアではフィノッキオというと、セロリのような、ほのかに甘いような、、、独特な香りをした白く丸い野菜を指す。しかし、シチリアでは

「野生のフィノッキオ」

というものが存在している。そして野菜のフィノッキオと区別するため、シチリアでは「フィノッキエット」と呼ばれる。

野生のフィノッキオは言ってみれば雑草。冬のシチリアの田舎を歩くと必ずと言っていいくらい見つかる。フワフワした細い葉と強烈な香り、シチリア料理に欠かせない一品でもある。野生のフィノッキオ、白い株(野菜の部分)は成長せず、ひたすらフワフワした葉だけがモサモサと育っていく。春になると季節を終え葉は枯れて、茎だけがどんどん成長する。そして今の時期、黄色い小さな小さな花を咲かせるとその後に種をつける。それが「フェンネルシード」だ。

車を止めて花の香りを嗅ぐ。なんとも言えない爽やかな香り、、、、他の香りに例えようがないほど独特だ。そして、種を探してみる。まだ完全に乾き切った種は少ししかなかったが、既に多くの種をつけていた。

フィノッキエットもフェンネルシードも料理に使うが、私はこの時期の「花」も部分を料理に使う。シチリアの暑い暑い夏に食べるフィノッキエットの花を使った料理は、ひと時の清涼感を与えてくれる。それはまるで、「シチリアの残暑も頑張って乗り切って!」と、毎年フェンネルの花に励まされる私であった。
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by lacucinasiciliana | 2011-08-26 15:51 | シチリア・旬の食材