2011年 11月 11日 ( 1 )

11月11日のフワフワパン Muffoletto(ムッフォレット)

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11月11日、サンマルティーノねたでもうひとつ。

「明日はサンマルティーノだね!ムッフォレットを買ってランチに食べないと。」

昨日、買い物をしている最中にこんな言葉が耳に入ってきた。

ムッフォレットとトラーパニに伝わるサンマルティーノの時期に出回る柔らかいパンだ。セモリナ粉、水、塩、リエビト(酵母)、そしてフェンネルシード。材料は至ってシンプルだが、特徴的なのは生地に大量の水分が入ること。一度、パン屋で仕込んでいるところを見せてもらったことがあるのだが、本当にこれがパンの形になるのだろうか、、、?と思うほどの柔らかさ。そして、それを事もなさげに成型するパン職人の姿に感心したのだ。

f0226106_18412021.jpgトラーパニの伝統ではこのパンはvincitto(ヴィンコット)に浸して食べる。

vincottoとは、vino+cotto、つまり「ワインを煮た」という意味の昔の調味料である。実際にはワインを煮たというより、モスト(ブドウから絞った汁)を煮詰めるのだが、1/3まで煮詰めるため、ほぼ1日がかりで火にかけることとなる。ドミンゴ家では夏のブドウ収穫の時期、大きな鍋をいくつも火にかけてvincottoを作る。こうすることで夏の太陽の恵みを冬にも味わう事が出来るわけだ。vincottoはモストを煮詰めるわけだから当然甘い。これをサンマルティーノのムッフォレッタに浸しながら、楽しむのだ。
さて、そして今朝、「○○の日に食べる××」という伝統が大好きな私は、ムッフォレットを買いにパン屋へ向かう。パン屋の中を覗いてみるとムッフォレット目当ての長蛇の列。そして、普段そんな事はあまり気にしないであろう若い子達も、この長蛇の列を見て

「あ!今日はサン マルティーノだね!」

と。



f0226106_1837275.jpg街中ではvincottoの代わりに、モッフォレットをパニーニにして食べる。中身はサラミでもプロシュットでもなんでもいいのだが、なぜかモルタデッラを挟む人が多い。私も漏れなくパン屋でムッフォレットを買った後、行きつけのサラミ屋さんでモルタデッラを買う。

「どうしてモルタデッラを挟むの?」

という私の問いに、

「伝統だからよ」

モルタデッラはトラーパニの伝統、ましてやシチリアの伝統ではないのだが。

しかし、高加水の柔らかいパンにはサラミの固い食感や、プロシュットの乾いた感じよりも、柔らかく適度にオイリーなモルタデッラが非常にマッチすることは確かだ。


毎年novello(新酒)を買って飲む習慣がない私だが、今年はなんとなくそんな気分になった。近くのエノテカに行くと数種類のnovelloが置いてあった。その中でも気になった2種を購入。日本で一番最初に紹介されたシチリアワイン「Corvo」、そしてコルレオーネ村の近くで作られている「Principe di Corleone」。いずれも3.99ユーロと格安だが、そのエノテカではこれが一番高価なnovelloであった。

今日のランチは、モッフォレットとノヴェッロでサン マルティーノに乾杯しよう。
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by lacucinasiciliana | 2011-11-11 18:53 | シチリア菓子・パン