2012年 01月 27日 ( 1 )

イタリア全土大規模ショーペロ(スト)で迷惑を被る人々

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先週半ばにシチリアから始まり、今週はイタリア全土に広がったショーペロ(スト)。(詳しくはこちらを)新政権モンティが打ち出した増税や自由化に対する反発だ。そして今回のショーペロで一番大規模に行っているのが「トラック輸送会社」。ガソリン、車の保険増税、それに加えて高速道路の料金も上げられたのでは、もはや運営していけない、というのだ。ショーペロが始まり既に1週間が過ぎるシチリアではガソリンを始め物資が少なくなってきた訳だが、ここは農産物の大生産地。野菜や果物は「キロメートルゼロ(地産地消)」とあって不足はしていない模様だ。

もっともそれは農家直売の場合であって。

f0226106_19171713.jpg我が家の近所のスーパーでは先週末から既に野菜の棚が空っぽな状態が1週間以上続いている。スーパーは地元の産物を販売するわけではなく、倉庫で一括管理されている産物が大型トラックによって搬送されてくる。なので、農産物大生産地のシチリアのスーパーだって物資は不足するのである。

スーパーで物資が不足しているのは農産物だけではなく、ミネラルウォーター、牛乳、菓子、など大規模工場で作られて搬送されてくるもの全てが不足している。中でもミネラルウォーターや牛乳などの生活に欠かせないものは、先週末早々にトラーパニの全てのスーパーから姿を消した。


シチリアからは大量の農産物がイタリア全国にトラックによって輸送される。実際、北部のメルカートを覗くと「シチリア産」と書いてある野菜や果物をどれほど目にすることか。シチリアの農業はこうして外部に販売することで成り立っているのだ。しかし、このトラック輸送会社のストによりシチリアからの農産物の搬送は完全にストップしてしまった。野菜や果物も大量に出来てしまうわけだから収穫するしかなく。(収穫しなければ栄養分を奪ってしまうので今後の栽培にも影響が出てくる。)しかしその収穫した農産物は本来の売り手である中~北部イタリアには売る事ができないわけだ。その量は到底その街だけで消費できる量ではなく、とある街の農民市場では市民にプレゼントしていたそうだ。捨てるよりはマシ、、、とのことだったが、それでも大量に余る。売れないという事は当然収入もない、という事になる。農産物を育てるまでに投資したものが全て無駄となってしまうわけだ。もう1週間ほどこんな状況が続いているわけだが、このままショーペロが続けばシチリア全土で数億、いや数十億の損失となるそうだ。

一番上の写真は、昨日、トラーパニのメルカートに野菜を買いに行ったときのもの。並んでいた葉野菜達は3つ1ユーロ。「今日は安いね」、という私の言葉に、

「どこにも売る事が出来ないからね。捨てるよりは安く売って食べてもらった方がマシだよ。」

一方、ミラノやローマなどの大都市ではシチリアから流れてくるはずの物資が届かないため、農産物が不足しているそうだ。ローマの中央卸市場の映像をニュースで見たが、普段は築地ほどに活気のあるこの卸市場だが物資はほとんどゼロ。「トラックで来ると通してもらえないから、、、」と、小さな車で少しだけ野菜を運んで来ていた地元の生産者がインタビューされていた。農家も必死である。

個人的には今回のモンティ首相の出した政策は今の状況では仕方のないものではないだろうか、、、と思っている。が、トラックの運転手のように実際に大きく打撃を受けて生活が出来なくなる人が出てくる事も確か。そして、彼らが自分達の生活を守るためにショーペロを起こすことに寄って、被害を被るのが農家、、、誰が悪いとも言えない今回のイタリアの大規模ショーペロ。政府はトラックの運転手に対する緩和措置として高速道路の料金の国家予算を確保する、と一昨日発表した。ただでさえ停滞しているイタリア経済を、本格的にブロックさせないため、政府と国民が早く折り合いを付けて、この大規模ショーペロが早く解消する事を祈るばかりである。
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by lacucinasiciliana | 2012-01-27 19:05 | 食文化イロイロ