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カテゴリ:シチリア菓子・パン( 20 )

1月6日には魔女ベファーナがやって来る!

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イタリアでは12月8日、マリア様のお母さんがマリア様をご懐妊した日、通称「インマコラータの日」から1月6日に東方から三博士がキリスト生誕のお祝いにやってくる「エピファニア」までがクリスマス期間となる。日本では24日のクリスマスイブが過ぎると既に片付けられてしまうクリスマスツリーだが、イタリアではエピファニアが終わるとクリスマスツリーや街のイルミネーションが撤去される。

さて、1月6日はキリスト教上、重要な意味を持った日であるが、それとは別に、「ベファーナ」という魔女が子供達にお菓子を運んできてくれる日でもある。ベファーナはイタリアでは「男版サンタクロース」と言われていて、この日にプレゼントを渡す人も少なくない。大抵の人は、大きな靴下の中にお菓子をたくさん詰めて子供達にプレゼントするのが習慣だ。

良い子にしていたら、チョコレートやキャンディを、悪い子には「炭」を運んでくるといわれるベファーナ。

「良い子にしていないとベファーナが炭を持ってくるわよ!」

この時期、マンマ達がこんな事を子供言いながら注意しているのを、街で時折小耳に挟んだりもする。

ベファーナは、子供の枕元だったり、クリスマスツリーだったり、ドアノブだったり、、、とにかく、子供のいる近くにお菓子を置いていくという。今年は私のところにもベファーナがやってきた。

中をあけてみると、、、。

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お、さっそく炭が入っている、、、。私はどうやらただの「良い子」では無かったようだ。そして炭に続いて、

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ちゃんとチョコレートやキャンディーも入っていた。

この日が終わると、長かったクリスマス休暇も終了して、ようやく通常モードに戻るイタリアだ。ちなみに1月6日エピファニアはイタリアでは祝日扱いである。

今年のクリスマス終了はベファーナが思いがけず我が家にもやってきた、という、楽しい1日となった。本来子供のためにやってくるベファーナだが、大人でもこんなプレゼントは意外と嬉しいものである。
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by lacucinasiciliana | 2013-01-07 17:18 | シチリア菓子・パン

死者の日のお菓子「Frutta Martorana(フルッタ マルトラーナ)」

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11月2日はイタリアではFesta dei Morti、直訳すると「死者の日」。なんだかオドロオドロシイ名前であるが、日本的に言えば「お盆」のようなもの。亡くなった人々の事を思い出し、墓参りに行く日である。

イタリア全土で死者の日のお菓子が色々とある。今では「シチリア名物菓子」とも言われるようになった「Frutta Martorana(フルッタ マルトラーナ)」は本来、シチリアでは死者の日のお菓子だったのだ。

Frutta Martorana(フルッタ マルトラーナ)は元々はパレルモにあるマルトラーナ修道院のスペシャリティー。今ではシチリア全土に普及したが、「マルトラーナ(修道院)のフルーツ」と呼ばれるのはそのためだ。日本では「落雁」をお供え物として仏壇やお墓に飾るが、なんだかその習慣に似ている。シチリアでは死者の日にこのお菓子を飾るのではなく食後に食べる。このお菓子、一体食べれるのかどうか、、、という質問をよく受けるが、「食べれる」ではなく「食べるため」のお菓子である。

この時期、トラーパニのパスティッチェリアにはフルッタマルトラーナが所狭しと並ぶが、私は毎年知人が手作りしたものを頂く。家庭で作ったフルッタマルトラーナは、どこかほっこりした味がして美味しいのだ。今年はフルーツに加えてエビが入っていたのもちょっとした遊び心。そう、フルッタマルトラーナはフルーツだけに限らず、魚でもエビでも想像力に任せて作れるところが楽しいのだ。

来年は何が入っているのか、、、1年後を楽しみにしよう。
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by lacucinasiciliana | 2012-11-02 23:41 | シチリア菓子・パン

伝説のカラメッラ(飴)おじさん、逝く

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トラーパニに伝わる密かな伝統の「手作りカラメッラ(飴)」。

砂糖と水を溶かして香りを加えて練る、それを伸ばして冷まし切る。手作り、そして純粋な材料で作られた「トラーパニのカラメッラ」はどこか懐かしく、そして純粋に美味しい、と感じさせてくれるカラメッラ(飴)だ。

かつてトラーパニのチェントロに小さな飴屋さんを構えていたおじさんがいた。その名も「Sig. Caramellaio(飴おじさん)」。名前は知らなくとも「Sig. Caramellaioのお店の近く」と言えば、トラーパニ市民の誰もが分かる、、、というほど有名な名物おじさんだ。

私がトラーパニに来て間もない頃、この手作り飴に興味を持ち、

「おじさん、仕事を見ていてもいい?」

と聞いてみたところ。

「あぁ。」

と、一言無愛想な返事。

飴作りは小さな一口ガスコンロと年季の入った鍋、飴をかき混ぜるヘラ、そして飴を切り分けるための大きな大理石、それだけの道具で作られていた。ただの砂糖が数分後にはキラキラと輝く飴に変わっていくのが面白く、私は時間が空くと飴の作り方を見におじさんのお店の軒先で飴作りを見に行った。

お店は広いがその片隅だけで作業をするおじさん。

「ここは前はお菓子も作っていたんだよ。でも継ぎ手がいなくてね。僕だけになっちゃったから今は飴だけしか作れないんだよ。」

そう寂しそうに語るおじいちゃん。最初は無愛想だったものの、何度も何度も通ううちに段々身の上話をするようになり、最後はすっかり友達の様に仲良くなった。そんな飴おじさんも数年前にお店を引退。週に1回だけ、メルカートで飴を売っていた。仕事は引退しても飴作りは辞められなかったのだろう。私も時折、飴おじさんの元に訪れ懐かしの味を楽しんでいた。

今朝、新聞を読んでいると

「伝説のSig.Caramellaio 逝く」

という文字が目に飛び込んできた。

飴おじさんがいたお店は現在、違うお店に変わってしまった。そして現在、飴を作る人はもういない。トラーパニから伝統がひとつ消え去っていった気がした。そして、一番最初に出会った無愛想な時とは正反対の、引退後の彼の優しい笑顔を思い出した。

Sig.Caramellaioのご冥福を心より祈る。
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by lacucinasiciliana | 2012-05-15 20:32 | シチリア菓子・パン

今年も「羊」の季節がやってきた

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暖かくなってくるとやってくる1年の中でも、かなり盛り上がるあの行事、、、そう、それは復活祭、イタリア語では「Pasqua=パスクワ」という。春の訪れを告げるとも言われるパスクワ、3月下旬~4月中旬の間にやってくる移動休暇だが、毎年微妙に肌寒い感じがする。しかし、4月8日にやってくる今年のパスクワは本当に暖かくまさに春の訪れというのに最適な季節にやってきた。

パスクワに食べるドルチェと言えば、コロンバ(鳩の形をした焼き菓子、)、パスティエラ(ナポリのパスクワのお菓子)、ウォーヴァ ディ パスクワ(巨大卵の形をしたチョコレート、中にサプライズが入っている)が一般的であるが、シチリアでは「羊」のドルチェを食べるのだ。

「羊のドルチェ」と言っても、羊肉で作るわけではなく、マジパンで羊の形をかたどったドルチェだ。羊は「平和(温厚)な動物」とされていて教会の壁画にも良く描かれている。パスクワと言えばキリストの復活をお祝いするのだが、キリストは良く羊に例えられたりもする。(善良な人間という事で)なので、羊=平和の象徴という事で、こんなドルチェが作られるようになったそうだ。

パスクワを来週の日曜日に控え、街の中にはこの羊達が溢れかえってきた。かわいい羊から怖い羊、、、悪魔では?と思われる羊も多々いる中で、私が一番好きなのはエリチェはパスティッチェリア マリア グラマティコの羊達。

f0226106_212376.jpg右の写真のお方は私が師匠と仰ぐガエターノ。フルッタマルトラーナを作らせたら、彼の右に出る人はいない、、、という位の「マジパンの魔術師」だ。彼の手にかかると、ただの白い塊(マジパン)が、あれよあれよという間に、色々な形に変化していく。私はここのフルッタマルトラーナが作りたくて、7年前、半年間修行させてもらった。

先日マリア グラマティコに遊びに行くと、「羊」大量に作っていた。

「今年も羊の季節だね~。」

という私に、

「手伝いに来る?(笑)」

とガエターノ。

私がここで働いていたのは11月~4月にかけて。クリスマスもパスクワも体験し、その時期にしか作らないドルチェを両方習得できた私はラッキーであった。羊の季節にはひたすら羊を作り顔を書いていく。顔はなかなか全て同じ顔にならないところが又面白く。ひとつひとつ表情が違ってくるのだ。温厚そうな羊もいれば、意地悪そうな羊もいるし。そんな冗談を言いながら働いていた7年前が懐かしいが、マリアグラマティコに遊びに行くといつも7年前と変わらない時が流れているのもなんだか嬉しい。

来週月曜日からはパスクワ週間が始まる。パスクワを盛大に祝うトラーパニでは街は既にお祭りムードだ。
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by lacucinasiciliana | 2012-03-31 02:14 | シチリア菓子・パン

今年もパネットーネの季節がやってきた。

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今日、今年我が家第1号のパネットーネを買ってきた。

パネットーネはイタリアのクリスマスには欠かせないクリスマスのお菓子のひとつ。今までもブログでも何度と無く紹介してきた。ロンバルディア州のお菓子とも言われているが、今では12月の声を聞くと全国のスーパーで山積みにされている。もはや12月の山積みパネットーネの風景はこの時期の風物詩でもあるのだ。(パネットーネについて詳しくはこちらをご覧いただきたい)

パネットーネはお菓子、、、というよりも、どちらかという「パン」に近い。ブリオッシュのようなすごくリッチな配合のパンに、オレンジの砂糖漬けやレーズンが入ったとってもリッチなパンと言った趣だ。この手のパンが大好きな私は、イタリアに来てすぐの頃は12月になるとパネットーネを買い込み、朝食に、おやつに、デザートに、、、と1日3回パネットーネを食べていた。1kgのパネットーネは2~3日でなくなっていたので、1ヶ月に相当量のパネットーネを消費していたのだろう。

パネットーネは安いもので4ユーロから20ユーロする高級パネットーネまで種類は色々。去年くらいからか、、、、パネットーネ大量消費はやめて、美味しいパネットーネを季節の風物詩としてきちんと味わおう、と思い始めた私。今年の第一号は、シチリア西部では美味しいと評判の「Fiasconaro(フィアスコナーロ)」というメーカーのパネットーネを買ってきた。最近は、ピスタチオ、チョコレート、レモンなど色々なフレーバーのパネットーネが出ているが、私が好きなのはやっぱり干しブドウとフルーツの砂糖漬けが入ったクラシックタイプ。これを食べると「あ~、クリスマスだな~。」という気分になるのである。

パネットーネ自体が美味しい事ももちろんだが、ちょっと洒落た包装も気分を盛り上げてくれるのだ。

今年もクリスマスまでもうあと1週間。
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by lacucinasiciliana | 2011-12-16 18:20 | シチリア菓子・パン

イタリアのクリスマスは12月8日から ~クリスマスのドルチェ・スフィンチ~

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11月から一足お先にクリスマスムードとなる寒い北ヨーロッパ。12月というとまだ「冬」という気分でもないシチリア。それでも12月8日を過ぎると、街はクリスマスムードに包まれ、この日から夜になるとイルミネーションが灯り始める。

12月8日は、「マリアがキリストを受胎した日」と言われている。イタリアではこの日から1月6日の「東方から3博士がキリストの生誕をお祝いに来た日」、エピファニアまでの約1ヶ月間がクリスマスと呼ばれる。トラーパニにはクリスマスに伝わるドルチェが色々とあるのだが、その中でも12月8日に作られるのが「スフィンチ」。

超高加水の醗酵生地をオリーブオイルでひとつひとつ揚げていく。トラーパニでは穴の空いたドーナツ型で揚げられ、マルサラ地方では穴を開けずに揚げる。水分量が多いだけあって形を作ってオイルの中に投入するのがなかなか難しいのだが、トラーパニのマンマ達はいとも簡単に大量にこのスフィンチを作るのであった。今年のドミンゴ家のスフィンチはマンマの孫キアラ(@17歳)が頑張った。全部で2キロあった生地を一人で揚げたそうだ。偉い偉い。

シチリアでは

「この時期にはコレを食べる」

という伝統がまだまだ深く根付いている。12月はそんな食べ物が一年で一番充実している時かもしれない。なぜなら「クリスマス」があるから。

スフィンチは12月8日に作る家庭が多いが、クリスマスシーズン繰り返して作り続けられる。スフィンチはついつい後を引く危険な揚げ菓子、、、食べ過ぎると太ること間違いなし。それでもやはり次のチャンスが待ち遠しいのであった。
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by lacucinasiciliana | 2011-12-09 17:05 | シチリア菓子・パン

11月11日のフワフワパン Muffoletto(ムッフォレット)

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11月11日、サンマルティーノねたでもうひとつ。

「明日はサンマルティーノだね!ムッフォレットを買ってランチに食べないと。」

昨日、買い物をしている最中にこんな言葉が耳に入ってきた。

ムッフォレットとトラーパニに伝わるサンマルティーノの時期に出回る柔らかいパンだ。セモリナ粉、水、塩、リエビト(酵母)、そしてフェンネルシード。材料は至ってシンプルだが、特徴的なのは生地に大量の水分が入ること。一度、パン屋で仕込んでいるところを見せてもらったことがあるのだが、本当にこれがパンの形になるのだろうか、、、?と思うほどの柔らかさ。そして、それを事もなさげに成型するパン職人の姿に感心したのだ。

f0226106_18412021.jpgトラーパニの伝統ではこのパンはvincitto(ヴィンコット)に浸して食べる。

vincottoとは、vino+cotto、つまり「ワインを煮た」という意味の昔の調味料である。実際にはワインを煮たというより、モスト(ブドウから絞った汁)を煮詰めるのだが、1/3まで煮詰めるため、ほぼ1日がかりで火にかけることとなる。ドミンゴ家では夏のブドウ収穫の時期、大きな鍋をいくつも火にかけてvincottoを作る。こうすることで夏の太陽の恵みを冬にも味わう事が出来るわけだ。vincottoはモストを煮詰めるわけだから当然甘い。これをサンマルティーノのムッフォレッタに浸しながら、楽しむのだ。
さて、そして今朝、「○○の日に食べる××」という伝統が大好きな私は、ムッフォレットを買いにパン屋へ向かう。パン屋の中を覗いてみるとムッフォレット目当ての長蛇の列。そして、普段そんな事はあまり気にしないであろう若い子達も、この長蛇の列を見て

「あ!今日はサン マルティーノだね!」

と。



f0226106_1837275.jpg街中ではvincottoの代わりに、モッフォレットをパニーニにして食べる。中身はサラミでもプロシュットでもなんでもいいのだが、なぜかモルタデッラを挟む人が多い。私も漏れなくパン屋でムッフォレットを買った後、行きつけのサラミ屋さんでモルタデッラを買う。

「どうしてモルタデッラを挟むの?」

という私の問いに、

「伝統だからよ」

モルタデッラはトラーパニの伝統、ましてやシチリアの伝統ではないのだが。

しかし、高加水の柔らかいパンにはサラミの固い食感や、プロシュットの乾いた感じよりも、柔らかく適度にオイリーなモルタデッラが非常にマッチすることは確かだ。


毎年novello(新酒)を買って飲む習慣がない私だが、今年はなんとなくそんな気分になった。近くのエノテカに行くと数種類のnovelloが置いてあった。その中でも気になった2種を購入。日本で一番最初に紹介されたシチリアワイン「Corvo」、そしてコルレオーネ村の近くで作られている「Principe di Corleone」。いずれも3.99ユーロと格安だが、そのエノテカではこれが一番高価なnovelloであった。

今日のランチは、モッフォレットとノヴェッロでサン マルティーノに乾杯しよう。
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by lacucinasiciliana | 2011-11-11 18:53 | シチリア菓子・パン

11月11日 サン マルティーノは新酒と一緒にビスコッティを食べる

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11月11日はサンマルティーノの日。この日は、新酒が出来上がる日、とも言われてる。

イタリア、フランス、など、ワインを製造する国ではそれぞれ新酒の「解禁日」が決まっているのは周知の通り。今年の解禁日はイタリアは11月6日、フランスは11月19日。これはかつて「新酒」を作る際の品質低下を防ぐために解禁日を決めた、と言われているが、ここシチリアでは「解禁日」は関係なく、サンマルティーノの日が新酒の日、という傾向がある。

8月下旬~9月下旬に収穫されたブドウは、11月11日ごろになるとアルコール度数も安定し、「ワインになる」と言われていた。もちろん昔は、今のような最新技術もなく、ブドウを収穫して絞ってモストを造り醗酵させる、というごくごくシンプルな工程だ。かつてはここトラーパニでもサンマルティーノのお祝いをする風習があったのだそうだが、世間で「Novello(ノヴェッロ)=新酒」がもてはやされるのと逆に、だんだんお祝いの風習はなくなっていったそうだ。ここシチリアではほとんど消費されない新酒だが、シチリアのカンティーナは海外輸出向けに新酒を造っているそうだが。

さて、お祝いはしなくなったものの、この時期にるとトラーパニのパン屋やお菓子屋さんに並ぶものがある。それは、「Biscotti di San Martino(ビスコッティ ディ サンマルティーノ)」。

ガリガリの硬いこのビスコッティは、新酒に浸しながら食べるのが習慣だったとか。フェンネルシードが入る生地で爽やかな後味がする。

新酒と言えば赤ワインが定番だが、この時期まだまだ暖かいシチリア。軽め、、、とは言え、赤ワインを飲みたい気分にならないことも事実。毎年新酒を味わうことがない私だが、今年の11月11日は金曜日。たまには新酒を味わってみようか、、、、。
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by lacucinasiciliana | 2011-11-09 00:22 | シチリア菓子・パン

グラニータで始まるシチリアの夏の朝

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シチリアの夏の朝ごはんの定番と言えば、「グラニータ」。グラニータとは、、、イタリア版カキ氷、というところだろうか。日本のカキ氷が氷を削ってシロップをかけるのに対し、グラニータは水とアロマを合わせてから凍らせる。そして氷ができてから削るのではなく、凍らせる段階でガチガチの氷とならないよう、何度も何度もかき混ぜ空気を含ませて行きようやく出来上がるのである。そのためジャリジャリではあるがどこか滑らかな口当たりなのが特徴だ。

暑い暑いシチリアの夏は、グラニータにブリオッシュと呼ばれる丸いパンを浸しながら食べるのが地元民の食べ方。え?グラニータにブリオッシュ??と思うかも知れないが、シチリアにきたら一度試していただきたい。ブリオッシュと言われる丸い柔らかいパンは、日本で言うところのブリオッシュとは異なり、意外とリーンな感じだ。ブリオッシュというよりミルクをたっぷり入れて焼いた「ミルクパン」といたほうが正しいだろう。ニュートラルな味の柔らかなパンは、グラニータに浸すとその味をしっかりと吸収して、そして更に柔らかくなり、とっても美味しいのだ。

シチリア中、どこに行ってもグラニータは食べられるが、「Granita di Gersomino(ジャスミンのグラニータ)」は西シチリア、とくにトラーパニオンリーと言ってもいいだろう。夜に香るジャスミンの花を香りが一番強いと言われる明け方に収穫しにいって水に浸すこと数時間。そのジャスミンの香りが移ったジャスミン水で作る。グラニータからはほのかなジャスミンの香りがしてとても上品な味だ。(ちなみに一番上の写真はジャスミンのグラニータ。)

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ジャスミンの他、アーモンド、ピスタチオ、ジェルシ(桑の実)、カッフェ、レモン、などなど、風味は色々。ちなみに上の写真は、アーモンドとピスタチオのハーフ&ハーフ。ぽっこりと丸いパンもかわいい。風味も色々とあれば、お店によってブリオッシュの味が違うのも面白いところ。シチリア滞在中に毎日風味を変えて試してみるのも楽しいだろう。

f0226106_22161841.jpgシチリアでグラニータを食べる時の注意点。夏になるとシチリアのBarならどこでも置いてあるグラニータだが、カウンターの後ろでグルグル回り、取っ手を下ろすとチューブから出てくるスラーピータイプのグラニータは大量生産品と思って間違いないので避けたほうがいい。職人さんが作ったグラニータはジェラートの入れ物にフタがついたようなアルミかステンの入れ物に入れられているはずだ。

せっかく食べるなら是非職人さんが手をかけて作ったグラニータを食べていただきたい。きっと来年もまたグラニータを食べにシチリアに来たくなることであろう。

→右の写真はサンビート ロ カーポのジェラテリアで食べた激ウマの桑の実のグラニータ。フレッシュの桑の実から作っただけあって非常に味が濃く、ほのかに感じられる酸味がとっても爽やかだった。
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by lacucinasiciliana | 2011-07-15 20:44 | シチリア菓子・パン

復活祭の羊ちゃん ~Agnello Pasquale(アニェッロ パスクワーレ)~

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今年も近づいてきた復活際シーズン。

イタリアでは復活際=パスクワは、クリスマスと同じくらい重要なお祭りです。(くわしくはこちらを)実家を離れて暮らす人は1週間のバカンスを取って田舎に帰る人も多く、パスクワ前の1週間はどことなくバカンスモードのイタリアです。

さて、パスクワのお菓子と言えば鳩の形をした「コロンバ」が有名ですが、シチリアでパスクワのお菓子といえば「パスクワの羊ちゃん」。

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シチリアでは羊はとっても重要な家畜で、羊乳からチーズを作り、子羊も重要な食糧のひとつでした。ちなみにパスクワの料理は羊肉料理も多いのです。そして羊は旧約聖書でも新約聖書でも重要な意味を持つ動物で。羊はとっても温厚で悪意のないところから

「平和のシンボル」

とも言われてきました。

更に「キリストのシンボル」という解釈もあります。そこでキリストの復活を祝うパスクワ(復活際)では羊をかたどったお菓子を作るようになったわけです。ちなみに羊ちゃんの本体はマジパンでできているので、食べることができます。

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シチリア全土で色々な羊ちゃんを見ましたが、一番驚いたのがこれ→。

注目すべきは白い羊ちゃんの後ろ、、、、な、なんと、

「黒羊ちゃん」

これ、私が以前に働いていたボナユートのシニョーラ作です。

「ほら、何処にでもちょっとひねくれモノっているでしょ?羊の中にもひねくれモノがいるのよ。」

たっくさん作る白羊ちゃんの中に、毎年、数匹だけ、黒羊ちゃんを作るそうです、、、。なんだかすごく微妙な感じ(汗)


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←これは今見てみれば非常にかわいいのですが、、、。

最初に見たときにはすっかり

「馬」

かと思っていました。

羊は意味があることが分かりましたが、それに紛れてどうして馬なのかしらね~、、、?と思っていました(苦笑)


羊ちゃんの表情は、手書きなので一つ一つ違うところが面白く。にっこりスマイルの羊ちゃんもいれば、少しムスっとした羊ちゃんもいたり。かわいかったり、かわいくなかったり、はたまた微妙に不気味だったり、、、。同じお店の羊ちゃん達でもとっても表情豊かです。

パスクワ(復活際)の時期にシチリアを旅行される方、是非、羊ちゃんに注目してみてくださいね!
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by lacucinasiciliana | 2011-04-14 22:14 | シチリア菓子・パン