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今が旬!グリーンピースと卵の簡単ズッパ

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春の味覚の代表格(私的に・笑)のグリーンピース、収穫が始まりました!

昨晩、用事があって夜にC氏の実家、マンマのお宅にお邪魔しました。突発的な用事だったため、電話もせずに奇襲攻撃をかけた私達。マンマのお宅には時々夜お邪魔して、ゴハンを食べに行きます。野菜不足を感じる日や「今日はなんとなくやる気がしないのよね~。。。」なんて時は、

「夜、行くからね~。」

と連絡をしておくと、旬の食材をタップリとつかった料理を準備しておいてくれるマンマ♪ 昨晩は奇襲攻撃だったので、夕食には期待していなかった私ですが、

「今日、収穫したグリーンピースあるけど食べていく?」

というマンマの嬉しいお言葉!でも、まだ準備していないんでしょ、、、?という私に、

「グリーンピースは既に茹でてあるから、10分で出来るわよ。」

と、マンマ。やった!!

ドミンゴ家の畑ではグリーンピースの粒がまだまだ小さい頃に収穫します。柔らかくって甘くって、、、生で食べるとまるでトウモロコシのよう!本当に、本当に美味しいのです。大量にグリーンピースが収穫できる為、マンマは食べきれない分を冬に向けて冷凍します。こうすることで、冬にも春の味覚が楽しめるわけです。

f0226106_2223475.jpg(左上)現在、立派なグリーンピースがたくさん育っています。市場に出ているのはしっかりと成長したグリーンピース。ドミンゴ家では、成長しきる前に収穫するので、小粒で皮もやわらか~いグリーンピースを食べることができます♪ 畑の恵みです♪

(右上)自家製卵。庭にいる元気なニワトリ5匹が毎日産んでくれるおかげで大量生産!エサはパンと穀物なので、卵も安心して食べられます。

(左下)夜の奇襲攻撃にもかかわらず、いつも温かく迎えてくれるマンマ。

(右下)セモリナ粉100%のシチリアゴマパン。モチモチしていて味わい深いシチリアのパンをこのスープに浸しながら食べます。

* マンマの1人前は一番上の写真の通り、パスタ皿に山盛りいっぱい!ですが、小さな器で付け合せとして提供しても美味しいと思います。日本のグリーンピースで作る場合は、柔らかくなるまでしっかり煮るのがポイントです。是非お試しあれ!



■ 簡単!美味しい!グリーンピースと卵のズッパ

<材料 2人分>

グリーンピース   たっぷり
たまねぎ   1/2個
卵   4個
オリーブオイル  大さじ2
塩・コショウ


① グリーンピースをたっぷりのお湯で柔らかくなるまで茹でます。
② 鍋に①のグリーンピース、粗みじん切りにした玉ねぎ、塩、コショウ、オリーブオイル大さじ2を入れ軽く炒めます。
③ 水をグリーンピースの半分の高さくらいまで注ぎ、時々かき混ぜながら5分ほど煮ます。
④ 卵を割って鍋に落とし、フタをしながら弱火で5分~10分。
⑤ 半熟卵がお好きな方は早めに、卵に十分火を入れたい方はゆっくりと火を通します。
⑥ 卵が崩れないよう、お皿に注いで出来上がり!

* 水分量が足りない場合は、卵を入れる前に水を適量注ぎ、一煮立ちさせてから卵を加えてください。

このズッパはマンマ自身も春の夕食としてよく食べるメニュー。卵はもちろん自家製、グリーンピースは収穫したて、玉ねぎもオリーブオイルも自家製、、、塩も、、、おっと、塩はさすがに自家製ではありません(コショウも・笑)体に優しいマンマの味。マンマの料理は愛情がたっぷりとこもっていて、これこそイタリア料理の真髄。本物のイタリア料理とはテクニックとかそういう事ではなくって、マンマが家族の為に作る料理なんじゃないかな~、と思う今日この頃でした。
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by lacucinasiciliana | 2010-04-28 00:18 | シチリアマンマの季節の食卓

4月25日はピクニックへ!

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4月25日、イタリアは「解放記念日」で祝日です。そしてこの日は「Scampagnata(スカンパニャータ)」と言って、友達や家族と外へ「ピクニック」へ行く習慣があります。

解放記念日はイタリア語では「Anniversario della Liberazione d'Italia」。1945年4月25日、ドイツ軍(ファシズム)からイタリア全土が解放され、「自由を勝ち取った記念日」となったわけです。そして「自由」になった市民は、毎年この日、「自分の大切な人達と、自分達の好きな場所で、一緒に楽しい時間を過ごして自由を祝う」のが習慣となりました。4月25日のイタリアはとっても気持ちの良い季節でもあるので、皆でお弁当を持ってピクニックに行ったりしたのが始まりだったそうです。

私も毎年、誰かにピクニックに誘われるのですが、今年のお誘いはこのお方、パレルモ郊外にプール付き豪邸を持つマリアリータでした。「ピクニック=BBQ」という公式のイタリア人達。(シチリアだけ?)今年はマリアリータの家のBBQスペースでBBQ大会が行われました!肉焼き奉行は一番上の写真のサルボ。非常に楽しそう(笑)に煙まみれで肉を焼いてくれました。

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(左上)薪割り奉行もいました。

(右上)BBQブースでジュージューと焼かれているのは、グルグル巻きにされたサルシッチャ(ナマソーセージ)とスティッギョーラ!パレルモ名物とも言われるスティッギョーラは「羊の腸」をグルグル巻きにしたもの。え~!?と思うかも知れませんがコレがまた美味しい!

(左下)しつこくスティッギョーラ拡大(笑)この日は「腸」だけがグルグルと巻かれていましたが、ネギやイタリアンパセリを真ん中に入れて巻くのが定番。臭み消しだそうです。

(右下)こちらは肉が焼けるのを待っている人達(笑)



総勢30名分の肉を焼き続けるサルボ。他の人達は、、、広い家の中に散らばって、好きなところでおしゃべり。のんび~りとした、まった~りとした時間が流れていきます。

f0226106_17402348.jpg(左上)マリアリータの家の中にはレモンの木が数十本!今年、初めて作ったリモンチェッロのレシピは彼女にききました。マリアリータの家のレモンの木は四季成りレモンで通年、レモンが成っています。今もタワワに実っているレモンですが、レモンの花もたくさんさいていました。お花の後には実が付きます。

(右上)今年の4月25日はこんな感じ。山の上には雲がかかっていてスッキリ青空!ではなかったものの、午後から天気は回復して気持ちの良い太陽が出ていました。5月に入ると気温が急上昇するシチリア。今、とっても良い季節です♪

(左下)ホスト役のマリアリータ(奥の女性)は、あれやこれや忙しそうに動いていました。BBQなので思いっきりカジュアルな服装で。こんな気取らないパーティーが一番楽しい。

(右下)「肉、まだぁ~???」 巨大犬、パブロ。飛びつかれると私よりも大きいのでは!?と思うくらいの巨大犬ですが、現在2歳。「ボク、まだまだ子供なんだよね~♪」



さて、午後2時、ようやく肉が焼きあがってきました!誰が声をかけることもないのに、肉が運ばれてきた瞬間、今まで大きな家の敷地の中に散らばっていた面々がゾロゾロと集まってきました、、、。嗅覚は犬並みのシチリア人???

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瞬く間に無くなっていく肉達、、、(汗)次々と運ばれてくる肉ですが、なくなるのも早っ!私が写真を撮っている30秒くらいの間に、テンコ盛の肉達がパパパッ!となくなっていきます。なので、写真を撮るのも必死(笑)本日のお肉は、

・特製サルシッチャ(生ソーセージ)
・豚バラ肉
・牛肉各部色々
・カストラート(去勢された羊肉)
・スティッギョーラ(前出:羊の腸のグルグル巻き)

特製サルシッチャは、マリアリータの指示の元、お肉屋さんに特別作ってもらったサルシッチャ。すんごく美味しかったです。

満腹!満腹!でもここで終わらないのがイタリア人。お口直しに必ず食べるのが「フルーツ」。オレンジ、バナナ、イチゴ、、、思い思いのものを自分で剥いて食べます。そして、絶対に忘れられないのがこちら!

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シチリア人、最後にコッテコテのシチリア菓子を食べないと、パーティーは終わりません(笑)ズラリ、と並んだシチリア菓子ですが、こちらもあっちこっちから手がのびてきて、、、。真ん中のお手製ティラミスは2段重ねだったのですが、写真を撮っている10秒の間に残り5個、となってしまいました(苦笑)15個くらいあったんですけどね~。

食事のあとは、まった~~~りと、、、。プールサイドで日焼けをする人もいれば、木陰で休む人もあり。絶え間なくおしゃべりを続ける面々もいたり、、、まさに「解放記念日」の名にふさわしく、おのおのが好きな事をして過ごしていました。

今でこそ、「自由」が当たり前な私達ですが、自由であることって非常に幸せなんだな~、、、なんて、思ってしまった1日でした。そして、ステキな1日をオーガナイズしてくれたMaria Rita、Grazie mille!!

★ブログ版「La Tavola Siciliana」、ベテランマンマの料理教室~手打ちパスタ編~をアップしました。
 やっぱりベテランマンマの料理は美味しいでした、、、。
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by lacucinasiciliana | 2010-04-26 17:33 | Festaな食卓

トラーパニ伝統料理を食べる 「La Bettolaccia~ラ ベットラッチャ~」

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「本当に美味しいお店」は、自分の中だけの秘密にしておきたい、、、なんて思ってしまう事、ありませんか?(ケチ!なんて言わないで~・笑)La bettolacciaは私の中ではそんな存在の一軒です。

トラーパニには10年、20年、、、メニューを変えず、ひたすらトラーパニ伝統料理を作りつづけるお店が数軒あります。その中でも私のお気に入りのお店がここ、LaBettolaccia(ラ ベットラッチャ)。トラーパニの人に、

「どこのトラットリアがトラーパニで一番美味しいと思う?」

と質問すると、多くの人がLa Bettolacciaをあげます。地元の人に愛されるお店にハズレがないのは世界各国共通。

La Bettolacciaは「大衆食堂」、というような意味。トラーパニ旧市街のウラビレタ道に、大きな看板もなくひっそりと佇むこのお店。知らなければ見つけられないところが又いいところ。ジャラジャラとした暖簾のようなものをくぐってお店に入ると、、、外部からは想像できないステキなお店。

扉を開けるとごっついお兄さん(?)が比較的無愛想に迎えてくれます(笑)店舗内部とってもはシンプル。こじんまりとしていて、サービスはごっついお兄さん一人で回しています。メニューはイタリア語、そして英語バージョンもあるのが外国人には嬉しいところ。ワインは地元のワインを中心に揃えてあるけれど、オススメは「Vino Locale(ビーノ ロカーレ)」。日本では「ハウスワイン」と呼ばれカラフェで運ばれてくるワインですが、これが侮れず非常に美味しい。

さて、肝心の料理。メニューはコテコテのトラーパニ郷土料理でどんなにガツン!とした品々が出てくるのかと思えば、、、「大衆食堂」という言葉が似つかわしくないくらい、一つ一つ丁寧な仕事をしたであろう一皿がやってくるのでした。でも、やっぱり南イタリアらしく大盛り(笑)


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いつも同じ料理ばかりを頼むため、写真の数がとっても少なかったです、、、。

(左上)イワシのポルペッテ。イワシのミンチを丸めてトマトソースで煮込んであります。日本で言えば「つみれ」ですが、シチリア食材が入るとやはりシチリアの味に。行くと必ず頼む一品です。

(右上)ムール貝の蒸し煮。これで1人分だったか2人分だったか、、、とにかくタップリと盛られてきます!

(左下)イサキのカルトッチョ。イサキから出た汁を下に敷き詰められたジャガイモが吸ってとっても美味。カルトッチョは包みを空けるまでのワクワク感がたまりません!

(右下)マグロのボッタルガのパスタ。トラーパニといえば、「マグロのボッタルガ」が有名。どこのトラットリアに行ってもある一皿ですが、お店によって調理方法も味も違うところが面白いところ。La Bettolacciaのボッタルガのパスタは塩気が絶妙。しょっぱすぎず、でもパンチに効いたシチリアの味です。


メニューの数自体もそんなに多くはありませんが、いつもお気に入りの品々を頼んでしまう私。上の4品は私の定番です。

とある私の友人(イタリア人)曰く、

「La Bettolacciaは料理も美味しいけれど、常連さんでもイチゲンさんでも、同様に扱ってくれるところがいいのよね。」

旅行者にとってはこんなところも大きなポイントの一つ。ホールにいるごっついお兄さん、一見無愛想ですがそれは真摯な姿勢で仕事をしているから?おしゃべりをしている間に時折見せるはにかんだような笑顔がとってもかわいいのでした。

私の秘密のお店(トラーパニでは超有名ですけどね~)、ついに公開してしまいました、、、。トラーパニ旧市街のウラビレタ道のトラットリア、見つかるかな?

<店舗データ>
La Bettolaccia(ラ ベットラッチャ)
住所 : Via Enrico Fardella,25
電話 : 0923-21695
* 昼/夜共に営業
* Via Vittorio Emanuele通りにあるB&B Ai Lumiを左折して直進。突き当たり近くの左側。


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by lacucinasiciliana | 2010-04-24 00:54 | シチリアのオイシイ食堂

リモンチェッロのその後、、、

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3月の終わり(正確には3月25日)に作りはじめたリモンチェッロ、1ヶ月の時を経てようやく完成しました!

マリアリータのリチェッタは「20日~30日、レモンの皮とアルコールを漬ける」となっていました。20日を過ぎた頃から、「あ、詰めるようのビンを買わなきゃ!」とか、「あ、シロップ用のグラニュー糖が足りない!」など、準備をはじめ、予定の20日を通り過ぎ結局28日間、レモン皮はアルコールに浸っていることとなりました。無色透明だったアルコールはすっかり濃いレモン色に染まり、黄色かったレモンの皮は白っぽくなりました。3月25日にアップしたエントリーの写真と色を比べると一目瞭然。

さて、ようやく最終段階に入ります!

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(左上)まずは水:グラニュー糖=1:1のシロップを作ります。グラニュー糖の量が多いのでなかなか溶けづらいですが、弱火で、時々木べラでかき混ぜながら溶かしていきます。

(右上)完全に溶けると透明になります。グラニュー糖さえ溶ければ沸騰させる必要はありません。

(左下)これが必要な道具一式。シロップ、ビン、じょうご、レモン皮をアルコールに漬けたもの。ビンは1L×1本,0.5L×1本,0.25×2本、で計2L分、用意しました。0.5Lと0.25Lは平べったいウィスキー入れのようなものをチョイス。丸みを帯びていてとってもカワイインですよ。ビンは4本は総額7ユーロ(900円)ほどでした。

(右下)レモン皮をアルコールに漬けたものを一度ボウルに空けて、そこにシロップを一気に投入。どことなく白濁しています。それを再び、レモン皮を漬けていたビンに皮ごと戻し、24時間更に寝かせます。そしてようやくビン詰め。レモン皮を一度濾してからじょうごを使ってビンに詰めていきます。



2リットルを予定していたリモンチェッロは、最終的に2,25L分、出来上がりました!
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毎日毎日、キッチンの片隅のビンを眺めて、色をチェックした私。ようやく出来上がり(たいした手間ではありませんが)、感激ひとしお。しかし!まだ試飲はしていません、、、。マリアリータ曰く、アルコールとシロップが馴染むには、更に1週間近くおいておく必要があるそうです。現在フリーザーで寝ているリモンチェッロ、来週末にお披露目です♪ 待ち遠しいぃぃぃぃ~!

<追記>
昨日、お客様がいらしたため、1週間を待たず2日後にお披露目してしまいました(笑)お味は、1ヶ月間待っただけあってレモンのエキスがギューっと凝縮されている感じで、非常に美味、でした♪ 先日、「48時間、レモン皮をアルコールに漬けておいた」というリモンチェッロを頂いたのですが、やっぱりレモンの味が薄かったのです。やはり1ヶ月近く、アルコール漬けにしておいた方が美味しくできるようです。


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by lacucinasiciliana | 2010-04-22 22:25 | 保存食を作る

幻の(?)黒パン Pane Nero di Castelvetrano

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「Castelvetrano(カステルヴェトラーノ)に幻の黒パン(= Pane Nero)が存在する、、、、」

と聞いたのは、5年前にトラーパニに来てから間もなくの事でした。「幻」とは実に魅惑的な言葉で、「幻」と言われると何が何でも見てみたくなる私。好奇心旺盛な私はこの「幻の黒パン」の存在を確かめるべく、数日後にすぐにカステルベトラーノに行った事を今でも覚えています。

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カステルヴェトラーノまではトラーパニから電車で約1時間10分程度で行くことができます。(午前中に3~4便あり)バス停から街中までは徒歩約10分、坂道を上っていきます。歩いている途中にも、あちらこちらに「Pane Nero」の看板。

(左上)カステルヴェトラーノの駅。昔の田舎の駅を彷彿させる小さな駅です。

(右上、左下)パン屋さんの看板には必ず「Pane Nero」と書いてあります。Pane Neroは今となってはカステルヴェトラーノを語るのに欠かせない存在なのでしょうね。

(右下)Pane Neroは丸型が基本。写真は500g(Mezzo kiro)。中身はムチムチとしていてとっても締まっているため、見た目よりもずっしりと重いのが特徴。



カステルベトラーノはトラーパニ県の南東部にある小さな街。質の高いオリーブオイルが作られる事で知られています。そして、この辺一帯では昔から伝わる「tumminia(トゥンミニア)」と呼ばれるこの地域でのみで古くから栽培される硬質小麦があり、この小麦を使ったパンが幻の黒パン、となるわけです。黒パン作りは、「tumminia(トゥンミニア)」と「硬質小麦の全粒粉の2度挽き」を使います。黒いのは全粒粉を使っているから?

「いや、tumminiaの粉は灰色っぽいんですよ。黒くなるのは全粒粉を使っているからだけじゃなくて、tumminiaの色がもたらすものでもあるんですよ。」

と語るのは、カステルヴェトラーノの老舗のパン屋さん、La Bottega del Pane Rizzoのシニョーラ。

さてこの黒パン、お味は、、、と言うと、普通のパンなのにほんのりと甘くとても香ばしい。シニョーラが言うには、これまたtumminiaの粉がもたらす味だとの事。でもtumminiaはこの地域でしか栽培されていないため、なかなか手に入りづらい食材の一つだそうです。

さて、ここで「本物の黒パン」である条件とは?


① 石臼で挽かれたtumminiaの粉を使っていること。
② リエビト(酵母)はナチュラルなものであり、人工的なものは使わないこと。
③ 薪窯を使っていること。
④ 薪はオリーブオイルの木の枝であること。


ただのパンでありながらこんなに条件が!

リエビトは「水と粉」から長時間かけて醗酵させて作った生地がベースとなっています。ビール酵母や生イーストのような人口的に作られたものは一切使わないそうです。毎日、黒パンの生地を少し残し、翌日のパンの生地に加えます。("Lu Criscenti"、と地元の人は呼びます)そのため醗酵時間がとても長いので、朝早くからの仕込みが必要となります。

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5年前に初めてカステルヴェトラーノを訪れた時、偶然、tumminiaの粉を挽いているという人と出会い、ラッキーにも粉挽き工場を見学させてもらうことができました。

(左上)これがウサワのtumminia。外皮は美しい金色をしていて粒も揃っていてキラキラと光っているように見えました。

(右上)粉挽き機。現在は近代的な機械で粉を挽く工場が多い中、こんな古い機械もがんばっています。お父さんの台から受け継いだ粉挽き機だそうです。

(左下)粉挽き機内部。大きな丸い石がグルグルと周って粉が挽かれていきます。

(右下)tumminiaの粉。これだけ見ると黄色っぽく見えるけれど(硬質小麦の粉は黄色っぽいのです)、普通の硬質小麦の粉と比べると明らかに灰色っぽいのがわかります。



長い時間をかけて醗酵させた生地は、オリーブの木がくべられた薪窯で焼き上げられます。窯が300度と高温に達した時点で火は消され、一度内部をきれいに掃除します。そしてそこに醗酵したパン生地を入れてゆっくりとゆっくりと直火があたることなく余熱で火を入れていきます。そして、オーブンが完全に冷めたらパンの焼き上がり。醗酵から焼成まで本当に手のかかっている一品です。

さて、5年の月日を経て先日久しぶりにカステルヴェトラーノに「幻の黒パン」を求めて行って来ました。5年前に行ったLa Bottega del Pane Rizzoは現在も変わることなく存在していました。

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(左上)Bottega del Pane Rizzoはこんな小さなお店。カステルヴェトラーノでは知らない人はいないほど老舗のお店です。

(右上)イタリアスローフード協会の「Presidio(プレシディオ=絶滅の危機に瀕してる伝統食を守ろう、というスローフードの活動)」にも登録されています。
”Pane Nero di Castelvetrano Presidio Slow Food con Lievito Naturale "Lu Criscenti"”

(左下)黒パンでパニーニを作ってもらいお店の中でシニョーラとおしゃべりをしながらムシャムシャ。ものすごい存在感のあるパンに、サラミもチーズもすっかり負けていました(笑)ほんのり甘くムチムチとした食感は日本の”黒蒸しパン”に近いものがあります。

(右下)カステルヴェトラーノの黒パンは、カステルヴェトラーノで作られるチーズ、サラミ、大粒のオリーブととても相性良し。これだけで十分に食事になります。



「カステルヴェトラーノにもたくさんの”Pane Nero”を売っているパン屋さんがあるけれど、本物を作っているパン屋さんはもう少ないのよね、、、」

と、嘆くBottega del Pane Rizzoのシニョーラ。現在料であるTumminiaが手に入りづらい事、天然のリエビトを使うため長時間の醗酵時間が余儀なくされること(当然労働時間も増えます)、薪窯を持っている人が減ってきたこと、、、原因は色々。消え行く伝統、、、を守るべく、街の人には本物を作り続けていって欲しい、と強く願うのでした。

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  「<新プラン>ブドウ摘み体験!カンティーナ併設アグリツーリズモでで過ごすワイン三昧3泊4日」
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by lacucinasiciliana | 2010-04-19 05:38 | シチリアのオイシイモノ色々

産みたて卵で作った春のフリッタータ

「お土産だよ~。」

と、用事があって実家に行ったC氏が抱えてきた袋。開けてみるとひとつひとつ丁寧に包んであるのは、C氏の実家で買っているニワトリの産みたて卵でした!

日本にいた時、母からは、

「卵は生で食べちゃダメよ!」

としつこく言われていました。確かに、びみょ~な色をした黄身、、、すごく黄色かったり、赤っぽかったり。「黄身」って書くけれど、本当にこんなに黄色いものなの??疑問はシチリアで解けました。やっぱり黄色すぎ。

食の国イタリアとは言えど、卵もスーパーで買うものはどうも信用できず。私が唯一安心して食べれるのはドミンゴ家(=C氏の実家です)で飼っているニワトリが産んだ卵だけ。ドミンゴ家にいる5匹のニワトリは、1日1個、みんな卵を産むため毎日毎日5個ずつ増えていくわけで、、、。2人暮らしのパパとママだけではとっても消費できる量ではなく(月間150個ですからっ!)私のところにも嬉しいおこぼれが回ってくるという訳です。

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(左上)C氏のスピード感あふれる運転でも割れないように、、、と、パパが1こずつ包んでくれたんです。愛情ですね~。(愛情は卵に対するものか、C氏に対するものか、、、!?卵かも・笑)

(右上)こちらが産みたての卵。こんもりと盛り上がった黄身、そしてプリンプリンの卵白。ダラ~ンとした感じは全くなく見るからに新鮮!そして黄身の色も自然な黄色。見るからにおいしそうです。

(左下)毎日働いてくれるニワトリちゃん達。ケージの中には入っていますが、中も広いため運動不足には陥らないそうです。エサは水に浸した余ったパンとアワやヒエなどの穀物類。ナチュラルなもののみを食べて育っています。だから卵も安心です。

(右下)パパが小屋から持ってきた産みたての卵。卵は「赤玉」です。いつも大切そうに持ってくるパパの姿が印象的。


さて我が家にやってきた卵、何にしようかな~、、、と真剣に悩む私。炊き立てゴハンに生卵、そしておしょうゆチョビっと、、、「生卵ゴハン」が大好きな私ですが、これじゃお昼ゴハンにはならず。(私一人だったらこれで十分なのですが)そういえば春の味覚「Neonata(生シラス)」が冷凍庫にあったことをふっと思い出しました。普段、冷凍保存はしない私ですが、先日1キロの生シラスを買ってしまいさすがに食べきれず冷凍したのでした。冷蔵庫を見てみるとほうれん草、グリーンピースもあり。考えてみたらすべて春の味覚。じゃ~、全部一緒に入れてフリッタータにしちゃえ!


f0226106_233776.jpg(左上)トラーパニの魚市場で売っていたネオナータ。ネオ(新しく)ナータ(生まれた)、という事で、ネオナータは主にイワシの稚魚であることが多いです。この日のネオナータは、ネオ、、、よりも少し成長していて大きめでした。「10ユーロ」は1キロの価格です。

(右上)フライパンの中でフツフツと、、、じっくりと焼きあがるのを待ちます。今日の卵と具(ネオナータ・ほうれん草・グリーンピース)の比率は1:1くらいですが、イタリア人は卵より具が多いのが常。卵好きの私は卵の分量が比較的多めです。

(左下)ある程度固まってきたら、フライパンの上にフタを乗せて一気にひっくり返します!そしてそのまま滑らせるようにしてフライパンに戻し、反対側の面もしっかりと焼きます。最初は勇気が入る、「フライパンひっくり返し」ですが、慣れてくるとゲーム感覚で面白いですよ。

(右下)材料の相性が良くとても美味しくできたフリッタータでした。せっかくの産みたて卵、しっかりと火を通してしまうのももったいないけれど、火を通しても卵自体にほんのり甘みが残っていました。次回は絶対に卵ゴハンにするぞっ!


■ 春のフリッタータ

<材料 4人分>

卵   4個
ネオナータ(生シラス)   なくても可(シラス干しでも代用可)
ほうれん草
グリーンピース
パルミジャーノのすりおろし   たっぷり
塩・コショウ   適宜
オリーブオイル

*ネオナータ、ほうれん草、グリーンピースの量はお好みで調節してください。

① 少なめの水を鍋に入れて洗ったほうれん草と塩を少々入れ、フタをして柔らかくなるまで蒸し煮のようにして火を通す。
② グリーンピースはタップリのお湯で柔らかくなるまで茹でる。
③ 卵をボウルに溶き、塩・コショウ、そしてパルミジャーノを一掴み、たぷりと入れる。(ここがポイント!)
④ 茹でたほうれん草、グリーンピース、ネオナータを③に入れ、ざっくりとかき混ぜる。
⑤ 20cmのフライパンにオリーブオイルを多めに注ぎ、フライパンを温める。
⑥ ④の卵液を一気にフライパンに注ぎ、すぐにフタをして最初は中火、卵の淵が固まってきたら極極弱火にして10分程度焼く。
⑦ 中央の部分が固まりかけてきた、フタをしたままひっくり返し、そのままフライパンに滑らせるようにして反対側の面を3分ほど焼く。

今回は「春の味覚」でしたが、フリッタータの具はなんでも良し。ドミンゴマンマは春に、グリンピースがタップリ詰まったフリッタータを作りますがこれも又美味。ほうれん草だけでも美味です。ポイントはとにかくパルミジャーノ。たっぷり入れてあげることが美味しさの秘訣です♪出来立てのアツアツを食べても美味しいし、冷めても美味しい、便利な一品。シンプルで美味しい、、、という、イタリア料理の真髄を極めた一品です。是非お試しアレ。
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by lacucinasiciliana | 2010-04-16 23:23 | 私の食卓

マンマの古道具 その1  ~ モルタイオ ~

私のパートナーのC氏の実家のマンマの家には、先代から伝わるたくさんの古道具があります。長い年月を経て、現在もまだまだ台所で活躍している、、、そんな道具をちょっとづつ紹介していきます。

第1回目はこちら。
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イタリアでは「Mortaio(モルタイオ)」と呼ばれる”すり鉢”。

「左の陶器のものは、お姑さんが使っていたものを嫁入りした時にプレゼントしてくれたのよ。右の木のものは、私が結婚記念に買ったもの。結婚して47年だからいずれもそれ以上経っているって事ね~。陶器の方は60年以上じゃないかしら?」

手入れが行き届いているせいか、50年近く使い続けているものとは思えないほど保存状態も良いです。もちろん両方とも現役で、現在も使われています。

さてこのモルタイオ、ジェノバではかの有名な「ペスト ジェノベーゼ」を作るために大理石のモルタイオがあります。変色を防ぐ為に温度が上昇するのを防ぐことが可能な大理石にしたそうです。日本にはゴマなんかをすりやすくする為か溝が付いたすり鉢。そしてインドにも東南アジアにも、、、名前は違えど、どこに行っても存在するんですよね、モルタイオ。シチリアでは「木」のモルタイオが多く、続いて陶器、でしょうか。

「昔は機械がなかったからすべて手作業で磨り潰していたのよね。今でこそ一瞬でできるようになったけれど、昔は朝から、食べるために働いていたようなものだったわ~。」

このモルタイオで作るもの、と言えば「Pesto Trapanese(ペスト トラパネーゼ)」。地元の人の間では、「Pasta con l'aglio(にんにくパスタ)」とも呼ばれているこのペースト、にんにく、バジル、生アーモンドを一気にこのモルタイオで潰していきます!(ペーストは最終的にはトマトも入ります。)ご覧下さい、マンマの勇士を!
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レッスンで体感していただいた方はお分かりかと思いますが、簡単そうに見えて慣れないと本当に大変な作業です。アーモンドは「皮無し生」の状態なのでとっても潰れにくいのですが、マンマはガツッ!ガツッ!と慣れた手つきで潰していきます。力も然ることながら、潰すにはコツがあるんですよね。

「当時は”皮無しアーモンド”なんて売っていなかったからね~。ペーストはね、夏に収穫したアーモンドの硬い外皮を石でバンバン叩いて取るところからはじまったのよ。で、薄い皮は熱湯につけて湯剥きして、、、、。」

力強くアーモンドを潰しながら、楽しそうに昔の話をするマンマ。時代はどんどん変わってきて、自給自足生活経験者も少なくなってきている今日この頃、マンマから昔の話を聞く時間は私の大切な時間でもあります。

こうして代々大切に受け継がれていく道具達は幸せものですね。

ラ ターボラ シチリアーナのブログも更新中です!
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by lacucinasiciliana | 2010-04-14 16:49 | マンマの古道具

世にも不思議な牛肉入りビスコット!「'Mpanatigghi(ムパナティッギ)」

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シチリア南東部にある小さな街モディカ。先日はジャリジャリチョコレートを紹介しましたが、この街、チョコレートだけではなく実は不思議なお菓子の宝庫なのです。今日ご紹介するのは、なんと「牛肉入りビスコッティ”'Mpanatigghi(ムパナティッギ)”」。牛肉入りも不思議ですが、この言葉の響きも不思議なお菓子。歴史は古く16世紀にスペイン支配下にいた頃まで遡ります。

当時、シチリアの多くの地域はスペイン支配下にあり、コロンブスの新大陸発見(1492年)後、スペインを伝わり南米からチョコレートを始め、トマト、ピーマンなどがヨーロッパ大陸にも伝わってきました。その時に一緒に伝わってきたと言われるこの「'Mpanatigghi」、不思議な発音は、スペイン語の「Empanada(エンパナーダ)」から来ているようです。「Empanada」はスペイン語で「empanar=包む」からきていて、「中に具を入れて包んだお菓子」という意味だそうです。

では、なぜ牛肉をビスコッティに入れたかって?それには色々な説があります。

一つ目は、「牛肉の保存方法だった」、という説。冷蔵庫という文明の利器もなかった当時、いかに牛肉を長持ちさせるか、、、、と考えた結果、お菓子の具に混ぜ込んでオーブンで焼いてしまえば良いのでは!?という大胆な発想に生まれた、というもの。

二つ目は、「農民のお弁当にするためだった」、という説。周りを包むための生地(炭水化物)、チョコレートや砂糖(糖分)、ストゥルット(豚の背脂=油脂分)、に加えて、牛肉(たんぱく質)を加えることで、ビスコット自体が完全食となり、農民が畑に行く時に持っていくお弁当として最適だったから、というもの。

どちらも甲乙つけがたく真実味がありますが、いずれにせよ大胆な発想であることには変わりありません。

気になるお味は、、、、というと、当然のことながら(当然じゃない?)牛肉の味はしませんのでご安心を。具には、チョコレート、砂糖、アーモンド、卵白、シナモン、丁子が入るため、牛肉の味は消されてしまいます。

f0226106_1452820.jpg(ムパナティッギの作り方)

私の古巣、モディカの老舗ドルチェリアBonajutoで私が働いていた時(2005年)に撮影したものです。お店では仕込んでも仕込んでもすぐに売切れてしまう人気のお菓子でした。

(左上)薄く延ばした生地にチョコレート&牛肉入りの具を絞り出していきます。少なすぎると味がしないし、多すぎると破裂して生地の横からはみ出てしまう。量の加減が非常に微妙でした。

(右上)淵に卵白を刷毛で塗った後、ひとつひとつ半分に折りたたんで形を整えます。

(左下)天板に移してハサミで小さな切込みを。ハサミの入れ方も微妙で、穴が大きすぎるとここから中身が大量に流出してしまいます。

(右下)オーブンで15分ほど焼くと出来上がり。ハサミの入れ具合で中から出てくる量が違うのがお分かりかと思います。写真は働き始めてすぐの私が切り込みを入れたため、大きさがマチマチ。お店を卒業する頃には、私もハサミ入れのプロとなっていました!(笑)



一度に大量に仕込みため、必ず3人がチームになって作っていました。生地を延ばす、具を絞る、綴じる、天板に移す、切込みを入れる、、、、これを3人でぐるぐると回しながら作業をします。おしゃべりをしながらゲーム感覚で作るため、意外と楽しい仕事の一つだったことを思い出します。

今回、記事を書くにあたって文献を紐解いてみると、ムパナティッギにはまだまだ色々な説があることを知りました。その一つが、「アラブから伝わってきたお菓子で、18世紀~19世紀にはパレルモ、エンナ、カルタニセッタの修道院で作られていた」という説。確かに、シチリアにはアラブから伝わったお菓子がたくさんあるし、不思議、、、という意味ではアラブのお菓子達も負けていません。「エンパナーダ」についても調べてみると、スペインのみならず、南米全般、そしてポルトガルでも色々な具を入れて作られていることを知りました。モディカは「牛肉入りのお菓子」という位置づけですが、南米では「肉や野菜を入れた料理(前菜・パンの一種)」として食べられているそうです。そういえば、ラグーサ・モディカ地区にも「インパナータ」と呼ばれる野菜やカジキ(魚です)を入れたパン(の一種)があったっけ、、、。こうして食の歴史を紐解いていくと、その昔、人が海を渡って往来していた足跡が見えるのも食文化研究の醍醐味です。

ムパナティッギは、ラグーサ・モディカ地区の名物(?)で、どこのお菓子屋さんでも作っているので、この地域に行ったなら是非お試しあれ!

★別館シチリア時間ブログ2では「2010年パスクワの旅 キャンティー紀行」を続々アップ中です!
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by lacucinasiciliana | 2010-04-13 01:54 | シチリア菓子・パン

ドミンゴ家の畑便り vol.2 ~パパのブドウ畑~

すっかり暖かくなってきたシチリア。今年は春の訪れが遅く3月中旬まで着ていたヒートテックも脱ぎ捨て、日中は長袖カットソー1枚で出かけられるほどになりました。

パスクワ(=イースター=復活祭:移動休暇で今年は4月4日)を利用して旅したトスカーナ、キャンティー地方では、まだ全く芽吹いてもいなかったブドウの木ですが、シチリアのブドウ畑では既にモッサモッサと葉っぱが生えてきています。ドミンゴ家の畑にも10数本のブドウの木があり、こちらはワイン用ではなくもっぱら食用。

「昔は、ここ一帯にブドウの木があったんだけどね~。」

f0226106_372747.jpg(左上)ここ一帯にブドウの木が植わっていたそうです。

(右上)ブドウの葉もモッサモッサと出てきましたが、ちっちゃな実も発見!この部分が房になります。

(左下、右下)樹齢40年のブドウの木。幹もグネグネして樹齢が伺えますね。


パパ曰く、ブドウの木の寿命は一般的に約20年。20年を越したあたりから、付ける房の量も減ってきて、ブドウの質も段々落ちてくるそうです。(もちろん、もっと長寿のブドウの木もあるそうですが一般的に)パパのブドウの木は樹齢既に40年以上。一帯にあったブドウ畑はだいぶ本数が減り、現在10数本が残っています。畑のあちらこちらに、ここ数年で接木をしたブドウの木がありますが、ブドウの木がたわわに実を付けるまで5年ほどかかるそうです。最初の数年は、まだまだ幼少期でチョコチョコと実が成り、5歳を過ぎると青年期となり、その後20年までがブドウの木が一番の良い時期。その後、段々と実の付く量が減ったり質が悪くなったり、、、人間の一生と同じですね。

パパは40年を過ぎたブドウの木も実をつけ続ける限り、かわいがっています。かつて手塩にかけて育てて、大量の実をつけてくれた(このブドウはドミンゴ家の自家製ワインとなっていたそうです)ブドウの木、実のつく量が減ったからってそう簡単にバッサリと切れないそうです。

私がブドウの木の写真を撮っているとパパがなにやら小道具を持ってきました。「なにそれ??」
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「Zolfo(ゾルフォ=硫黄)を散布する道具だよ。」

ブドウには病気やら、カビやら、小さな虫やら、、、色々な問題が発生します。パパは病気やカビを防ぐ為に硫黄の粉を撒くのです。(硫黄は天然素材です。)

「通常は、年に2回、ブドウが大きくなり始めた頃と、熟し始める前あたりに撒くんだよ。でも今年はね、少し特別な方法をとってみたんだよね。去年、病気になった木が数本あったからさ、再発を防ぐ為に少し早めに撒いてみたんだ。あともう1回は、ブドウが大きくなり始めた頃かな。」

毎年、その年の状況や前年の状況を見ながら硫黄の粉を撒く時期を決めるそうです。

パパが手に持っている緑の道具は、両手を合わせるようにするとパフパフと硫黄の粉が出てきます。量も調節できるらしく、今回は第1回目という事もあり極小の量。撒かれた硫黄の粉はこんな色をしています。
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硫黄の粉と言えば、、、マルサラワインで知られるカンティーナFlorio社は1800年代、硫黄の抽出に成功して大金を稼いだ、、、って話をFlorio社で聞いたことがあります。昔から伝わる知恵なんですね。

パパのブドウ畑には、黒ブドウのカルディナーレ、白ブドウのソーヴィニヨン、など、色々な種類のブドウが植わっています。今年はどれだけの実をつけてくれるのでしょうか、、、、。がんばれ、ブドウの木!
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by lacucinasiciliana | 2010-04-12 04:31 | シチリアの畑から

ドミンゴ家の畑便り vol.1 ~春~

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私のパートナー(仕事じゃなくてプライベートの)であるC氏の実家、ドミンゴ家の庭には、「家庭菜園」と呼ぶには大きすぎるくらいの自家消費用の畑があります。それに加え、家から10キロくらい離れた場所に150本のオリーブの木と、広大な(数ヘクタール)の畑(こちらもすべて自家消費用)。御年79歳(今年80歳)になるドミンゴパパがひとりで管理しています。が故、ドミンゴ家で消費するものは、オリーブオイル、夏に作りダメするトマトソース、季節の野菜、卵(鶏もいます)などなど、、、ほとんどが自家製でまかなわれています。パパは毎年、天候と土の状態を見ながら種を植えるため、この畑では本当の旬を知ることが出来るのが嬉しいところ。一番上の写真、何のお花だか分かりますか?正解は、、、「グリーンピース」。現在、可憐な白い花をたくさん咲かせています。現在、ドミンゴ家の畑はこんな感じ。

f0226106_2545828.jpg(左上)ドミンゴ家では今が旬のカルチョーフィ(英語ではアーティチョーク)!ここで収穫できるカルチョーフィはとっても柔らかくてほんのり甘くって、、、メルカートで買うものとは別物。毎年、パスクワ(復活祭)の時に直火で焼いて食べるのですが、これが又美味!!

(右上)ネギボウズ。パパは出来るだけ種も畑から採取して、翌年まで保存します。こうすることで、植物もどんどん自己改良して、その土地に合った植物となっていくそうです。

(中央左)グングン育つソラ豆達。ソラ豆ってどうやって成っているか知っていますか?鞘は下から上に向かって成長します。空に向かって伸びるから「空豆」、だそうです。

(中央右)ブドウの木も葉が出てきて、既にちっちゃい房が出来てきました。先日旅行したトスカーナでは、まだ葉すら出ていませんでしたがさすがシチリア。植物が芽吹くのも早いです。

(左下)植えたばっかりのトマトの苗。トマトはまずは小さなポッドに種を一つずつ蒔いて発芽させます。その後、写真くらいまで成長したら土に植えてあげるのです。トマトの種も去年、しっかりとトマトから取り除いて取ってあったそうです。ドミンゴ家では2種類のトマトを植えますが、こちらは真っ赤に熟れる丸いちょっと大きめのプチトマト。お尻の部分がツン、と尖っているのが特徴です。とっても甘くて生食にもソース作りにも使える万能トマト。もう1種は、翌年の春まで(!)保存させるための皮が硬い黄色いトマト。これも大きさは大きめのプチトマトくらい。

(右下)日当たりがよい部分で既に収穫できたソラ豆!今年お初です。このくらい若いうちのソラ豆は、柔らかく苦味も少ないので生で食べることができます。ソラ豆→ペコリーノチーズ→赤ワイン、、、、の順で食べるのがイタリア流。ドミンゴ家ではソラ豆のみ、ムシャムシャ食べていましたが(笑)


写真の他にも、トラーパニの名産物でもある赤にんにく、赤たまねぎ、長ネギ(といっても日本の半分くらいの長さですが)、などなど、が植わっています。もうそろそろ、ズッキーニやナスなどの夏野菜に向けて空いている場所を耕し始めるそうです。

f0226106_422689.jpg右の写真→、ふふふ、そろそろ近づいてきました、オリーブの花の季節!1年に1回、秋に収穫されるオリーブの花が咲くのは4月中旬~5月中旬にかけて。ドミンゴ家の家の庭にも10本程度のオリーブの木があるのですが、もう既にツボミをつけていました。あと1週間くらいで開花でしょうね~。オリーブの花は白くてちっちゃいのですが、大量に咲くためそれはそれはきれいで。マンマとパパは、オリーブの花が満開の時期、オリーブ畑にBBQセットを持ってピクニックに行きます。年をとっても仲良しで、とってもカワイイんです♪

トラーパニに到着した2005年、ひょんな事からC氏と知り合い、そしてC氏の両親であるドミンゴマンマとパパとも出会いました。マンマとパパとの出会いは、私のイタリア生活の中でも大きな転機だった気がします。東京で生まれ育った私は、食の仕事を長いことしていましたが、「素材」という原点を見る機会はとても少なかったのです。それが、マンマとパパと知り合う事で、「食の原点」を垣間見た気がして、、、。パパが家族の為に丹精込めて作る野菜たち、そしてそれをマンマが愛情を込めて料理にする、、、これこそが、「食の原点」では?そして時が経つに連れて「もっと見たい、もっと知りたい!」という欲求が高まり、ついにシチリアに移住する運びとなったわけです。なので、ドミンゴ家の畑は「私のシチリア生活の原点」と言っても過言ではないほど。今でも、毎年毎年、マンマやパパから新しく学ぶ事がたくさんあります。元完全自給自足生活経験者(マンマもパパも)、そして家族の為に50年近く、庭の畑をやっているパパですら、

「畑は一生勉強することがたくさんあるからね~。ボクも毎年勉強だよ。」

って言っています。

これからも、ドミンゴ家の畑、まだまだ勉強させていただきますよ~♪

■別館シチリア時間BLOG2→「2010年パスクワの旅~トスカーナへ~」更新中です♪ トスカーナと言えば、、、、アレですよ、あアレ♪

■もう一つの別館(笑)La Tavola Sicilianaのブログでは、チェファルー旅行記をアップしました。
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by lacucinasiciliana | 2010-04-09 03:05 | シチリアの畑から