「ほっ」と。キャンペーン

<   2011年 11月 ( 8 )   > この月の画像一覧

秋のシチリアの畑

すっかりご無沙汰している間に、畑もすっかり模様替えしたシチリア。畑では冬の味覚がスクスクと育っている。

冬の味覚の代表格といえばこちら。

f0226106_2273018.jpg


フィノッキオ。日本語では「ういきょう」。アニスのようなセロリのような爽やかな味が特徴の野菜だ。このフィノッキオは確か10月中旬くらいに苗を植えていたのでただいま約1ヵ月半。一番下の白い部分がこれから成長してきてクリスマス前には食べ頃となる。フィノッキオは市場に出回るより少し小さい状態で収穫するととっても甘みが強く柔らかくて非常に美味。市場に出回る大きさだと既にちょっと筋っぽい感じもする。ドミンゴ家ではクリスマスの食卓で初物のフィノッキオを食べるのが恒例。もうそんな時期が来たのだ、、、と私にとっては季節感たっぷりの冬野菜だ。

そして、冬と言って忘れてはならないのがコレ。

f0226106_2334865.jpg


カルチョーフイ。日本語では「朝鮮アザミ」。まだ実が成っていないが、この中心部辺りからニョキニョキと実が出てくるのだ。カルチョーフィにはクリスマス前に出てくる「precuoce(プレクォーチェ)」と春の復活祭の時期に出てくる「tardiva(タルディーヴァ)」があるのだが、ドミンゴ家のものはタルディーヴァ。だからもう数ヶ月待つことなるのだが、ただいま市場ではワンサカと盛られたカルチョーフィが出てきたところだ。

f0226106_239362.jpg


その他にも、左上から時計回りにカリフラワー、長いタイプの赤たまねぎ、ホウレンソウ、そして野菜ではないがシチリアの冬と言えばオレンジ!現在ドミンゴ家の畑は賑やかだ。

f0226106_2424970.jpg


ここは春に向けてもうすぐ苗が植えられる場所。きっとソラマメやグリーンピースに違いない。シチリアは霜が降りるほど気温が下がることがないから、温室を作らなくても一年中苗を植えることができるのだ。こうして耕して畝を作り畑を管理するのは御年81歳のおじいちゃん。一人で相当な広さの畑を管理しているのだが、畑にいるときは私より力強いところが恐ろしい。

今年もあっという間に時が過ぎ、もうすぐ12月。今まで秋、、、という感じのシチリアもググっと冬っぽくなってくる季節。そして12月はクリスマスの料理やお菓子が食べられる楽しい時期!楽しくもあり食べ過ぎが怖い時期が今年もやってくる。そんな季節になると畑の冬野菜もそろそろ収穫だ。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-30 02:53 | シチリアの畑から

11月11日のフワフワパン Muffoletto(ムッフォレット)

f0226106_18475293.jpg
11月11日、サンマルティーノねたでもうひとつ。

「明日はサンマルティーノだね!ムッフォレットを買ってランチに食べないと。」

昨日、買い物をしている最中にこんな言葉が耳に入ってきた。

ムッフォレットとトラーパニに伝わるサンマルティーノの時期に出回る柔らかいパンだ。セモリナ粉、水、塩、リエビト(酵母)、そしてフェンネルシード。材料は至ってシンプルだが、特徴的なのは生地に大量の水分が入ること。一度、パン屋で仕込んでいるところを見せてもらったことがあるのだが、本当にこれがパンの形になるのだろうか、、、?と思うほどの柔らかさ。そして、それを事もなさげに成型するパン職人の姿に感心したのだ。

f0226106_18412021.jpgトラーパニの伝統ではこのパンはvincitto(ヴィンコット)に浸して食べる。

vincottoとは、vino+cotto、つまり「ワインを煮た」という意味の昔の調味料である。実際にはワインを煮たというより、モスト(ブドウから絞った汁)を煮詰めるのだが、1/3まで煮詰めるため、ほぼ1日がかりで火にかけることとなる。ドミンゴ家では夏のブドウ収穫の時期、大きな鍋をいくつも火にかけてvincottoを作る。こうすることで夏の太陽の恵みを冬にも味わう事が出来るわけだ。vincottoはモストを煮詰めるわけだから当然甘い。これをサンマルティーノのムッフォレッタに浸しながら、楽しむのだ。
さて、そして今朝、「○○の日に食べる××」という伝統が大好きな私は、ムッフォレットを買いにパン屋へ向かう。パン屋の中を覗いてみるとムッフォレット目当ての長蛇の列。そして、普段そんな事はあまり気にしないであろう若い子達も、この長蛇の列を見て

「あ!今日はサン マルティーノだね!」

と。



f0226106_1837275.jpg街中ではvincottoの代わりに、モッフォレットをパニーニにして食べる。中身はサラミでもプロシュットでもなんでもいいのだが、なぜかモルタデッラを挟む人が多い。私も漏れなくパン屋でムッフォレットを買った後、行きつけのサラミ屋さんでモルタデッラを買う。

「どうしてモルタデッラを挟むの?」

という私の問いに、

「伝統だからよ」

モルタデッラはトラーパニの伝統、ましてやシチリアの伝統ではないのだが。

しかし、高加水の柔らかいパンにはサラミの固い食感や、プロシュットの乾いた感じよりも、柔らかく適度にオイリーなモルタデッラが非常にマッチすることは確かだ。


毎年novello(新酒)を買って飲む習慣がない私だが、今年はなんとなくそんな気分になった。近くのエノテカに行くと数種類のnovelloが置いてあった。その中でも気になった2種を購入。日本で一番最初に紹介されたシチリアワイン「Corvo」、そしてコルレオーネ村の近くで作られている「Principe di Corleone」。いずれも3.99ユーロと格安だが、そのエノテカではこれが一番高価なnovelloであった。

今日のランチは、モッフォレットとノヴェッロでサン マルティーノに乾杯しよう。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-11 18:53 | シチリア菓子・パン

11月11日 サン マルティーノは新酒と一緒にビスコッティを食べる

f0226106_020029.jpg


11月11日はサンマルティーノの日。この日は、新酒が出来上がる日、とも言われてる。

イタリア、フランス、など、ワインを製造する国ではそれぞれ新酒の「解禁日」が決まっているのは周知の通り。今年の解禁日はイタリアは11月6日、フランスは11月19日。これはかつて「新酒」を作る際の品質低下を防ぐために解禁日を決めた、と言われているが、ここシチリアでは「解禁日」は関係なく、サンマルティーノの日が新酒の日、という傾向がある。

8月下旬~9月下旬に収穫されたブドウは、11月11日ごろになるとアルコール度数も安定し、「ワインになる」と言われていた。もちろん昔は、今のような最新技術もなく、ブドウを収穫して絞ってモストを造り醗酵させる、というごくごくシンプルな工程だ。かつてはここトラーパニでもサンマルティーノのお祝いをする風習があったのだそうだが、世間で「Novello(ノヴェッロ)=新酒」がもてはやされるのと逆に、だんだんお祝いの風習はなくなっていったそうだ。ここシチリアではほとんど消費されない新酒だが、シチリアのカンティーナは海外輸出向けに新酒を造っているそうだが。

さて、お祝いはしなくなったものの、この時期にるとトラーパニのパン屋やお菓子屋さんに並ぶものがある。それは、「Biscotti di San Martino(ビスコッティ ディ サンマルティーノ)」。

ガリガリの硬いこのビスコッティは、新酒に浸しながら食べるのが習慣だったとか。フェンネルシードが入る生地で爽やかな後味がする。

新酒と言えば赤ワインが定番だが、この時期まだまだ暖かいシチリア。軽め、、、とは言え、赤ワインを飲みたい気分にならないことも事実。毎年新酒を味わうことがない私だが、今年の11月11日は金曜日。たまには新酒を味わってみようか、、、、。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-09 00:22 | シチリア菓子・パン

100年を超える老舗リストランテ 豚肉専門店 Majore(マヨーレ)@キアラモンテ グルフィ

f0226106_20494510.jpg


以前にもこのブログで紹介したキアラモンテ グルフィの豚肉専門店「Majore(マヨーレ)」。機会があって再訪してきた。

キアラモンテ グルフィーはシチリア州ラグーサに属す小さな市だが、この辺りは渓谷に囲まれているため、かつては街と街の行き来が大変だったため、ラグーサまで20キロと近いながらに少し異なる食文化を形成している。キアラモンテ グルフィに伝わり、ラグーサに顕著に見れないのが「豚肉文化」。(顕著に見れないだけでラグーサにももちろん伝わってはいるのだが)今回で4回目となるMajore訪問。今回も豚肉を堪能した。

最初に訪れたのは確か2008年。Dancyuの取材コーディネートだった。山の民族であるこの土地の人達は、日本で想像されるような手を広げて迎え入れてくれるようなイタリア人像を覆すほどの静かさだ。取材だというと、やけに陽気にサービス精神旺盛になるのがイタリア人の特長とも言えるが、Majoreの人達は静かに押し付けがましくなく、しかしとっても親切に私たちを迎え入れてくれた。それはこのお店のサービスにも象徴される。

とってもにこやか、という訳ではないが細かい気配りがあり、そして聞けばとっても親切に対応してくれる。少々放っておかれたほうが心地よい日本人としてはちょうどよい塩梅かもしれない。

f0226106_205942.jpg
Majore、ちょっと変わっているのはお店を入るとすぐに厨房があること。お店に入った瞬間漂う、おいしい匂いが食欲をそそる。まずは奥にあるエノテカでワインを選ぶ。ラグーサ地方のワインと言えば、Cerasuolo di Vittoria(チェラスォーラ ディ ヴィットーリア)。Nero d'Avola(ネーロ ダヴォラ)とFrappato(フラッパート)から作られるシチリア唯一のD.O.C.Gだ。お店にお勧めされた「Para Para」というワイン。えパラパラ、、、、という言葉の響きに惹かれこれに決定することにした。

席に着くと、

「何にしましょうか、、、アンティパスト、プリモ、セコンド、、、この地方の料理を召し上がりますか?」

実はメニューがあるのかも知れないし、頼めば魚料理も出してくれるらしいMajore。でもやはり食べるべきは「この地方の料理」、つまり「豚肉三昧」だ。


アンティパスとは大きなカットの「豚肉のジェラティーナ」に生に近いサラミ、そしてカポコッロ。そしてキラモンテグルフィ特産のオリーブ。

f0226106_212664.jpg


プリモはいつ食べても絶品の豚肉のリゾットと、豚肉のラグーのラビオリ。

f0226106_2133338.jpg


そしてセコンドはサルシッチャのグリルと豚肉のリピエーノ(詰め物)。

f0226106_215436.jpg


いずれも一皿一人分、期待を裏切らない量と味。いつ食べても本当に絶品だ。

シチリアも観光地化の波に押され、オシャレなイマドキっぽく改装するレストランも多い中、いつ来ても同じ空気に同じ味を楽しませてくれるレストランは貴重な存在だ。そして私はそんなレストランが大好きだ。

1896年創業という100年を超える歴史を持つ老舗のMajore、いつまでも美味しい素朴な料理を出し続けて欲しいものだ。

<店舗データ>
Ristorante Majore(リストランテ マヨーレ)
住所 : Via Martiri Ungheresi, 12 Chiaramontegulfi(Ragusa)
電話 :  0932-928019
サイト : http://www.majore.it/
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-08 21:12 | シチリアのオイシイ食堂

秋のフィーキ ディ インディアはバスタルド(嫌なヤツ)?

f0226106_1732870.jpg


オレンジの季節になると終わりかける旬の果物、それは「Fichi d'India(フィーキ ディ インデディア)」。

フィーキ ディ インディアはうちわサボテンというサボテンの実でシチリアの晩夏~秋にかけてが旬の果物だ。サボテンの実だけあって周りにはたくさんのトゲをまとっている。メルカートで見かけるもののほとんどが既に大きなトゲは取られているが、まだまだ細い繊毛が残っているので決して手で掴んだりしてはいけない。木から捥ぎたての実には怖いくらいたくさんのトゲがついていて、それを取るために水に一晩つけなければいけないほどだ。

さてこのフィーキ ディ インディア、晩夏~秋が旬と言ったが、、、、自然に出てくる実の旬は実は6月頃なのだ。しかし6月のフィーキ ディ インディアは実も小さく硬く、そして甘みも少ない。最初の実が熟す前に棒で叩いて落とすと秋になる頃に第2番目の実が成る。これは実も大きくジューシーで甘みも強い。なのでこの2番目の実が成る頃が旬とされている。

2番目に成るフィーキ ディ インディア、シチリアでは「バスタルドゥーナ」、と呼ばれている。イタリア語で「Bastardo=バスタルド」と言えば「嫌なヤツ」とかいう意味だが、また何故こんな名前が??色々な説があるのだが、この間面白い話を聞いた。

ある初夏の日、田舎に住んでいる夫婦が喧嘩をした。あまりに怒った旦那が外に出て、そこにあった棒を振りかざし、

「Bastarda(バスタルダ)~~~!」

と叫びながらフィーキ ディ インディアの実をすべて叩き落としてしまった。

そしてその秋、実が落とされたフィーキ ディ インディアの木には立派な実が成っていた、、、、。そんなことから「バスタルドゥーナ」と言う名前が付いた。


本当かウソか、、、、は、さておき、その名前の由来はハッキリとしていない。

実にはたくさんのトゲがあり、中を割ってみると驚くほどの黒く硬い種がたくさん入っている、、、。しかし口に含んでみるとジューシーでそれはなんとも形容しがたい味がする。「スイカ」という人もいれば「柿」という人もいる。私にとってはスイカでも柿でもなく「フィーキ ディ インディア」の味だ。ちなみに種は硬くて噛み切ることもできず、いちいち出していたら食べている感じもしないため、実と一緒に飲み込んでしまうのが流儀。

こんなに恐ろしい食べ物を最初に食べた人に心から感謝したいものだ。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-07 17:48 | シチリア・旬の食材

今年もオレンジの季節が始まった!

f0226106_03266.jpg


季節がらか、自分の興味からか、しばらく続いてたオリーブねた。シチリアではそろそろシーズンも終盤となったので、ここら辺でオリーブのお話はひと段落。そろそろシチリアの食の話題をお届けしよう。

今日土曜日は、「農民市場の日」。海沿いの大きな空き地で土曜日に1回開催される。「ファーマーズマーケット」と言えばカッコイイが、トラーパニのそれはやはり「農民市場」という言葉が似合う。それは売っている「人」が本当に素朴だからだろうか、、、それとも売っている「モノ」がいかにも無骨だからだろうか、、、。

今朝、農民市場に行ってみると、先週まではなかった「オレンジ」が登場していた。

柑橘類は夏っぽい爽やかな味だからだろうか、夏の果物、と思っている人も多いと思うが、オレンジもレモンも旬は冬。12月~4月にかけてが旬真っ盛りとなる。オレンジやレモンと言えばビタミンCがたっぷり含まれていることは周知の通りだが、「風邪対策」として自然の摂理が冬の果物としたのでは、、、と感じることもある。

シチリアのオレンジと言えば「赤いオレンジ=ブラッドオレンジ」を想像される方が多いと思うが、栽培されているのはそれだけではない。トラーパニ近辺でよく見かけるのは、

・ブラジリアーノ
・タロッコ
・マンダアランチャ
・マンダリーノ

の4種。

「ブラジリアーノ」はとても爽やかな味が特徴で、大きさは直径12cmくらいの巨大なものがある。「タロッコ」は赤オレンジ、、、に近い感じで、オレンジの部分と赤の部分がまだらになっている。ものによってはほぼ赤のものもあるが、皆さんが想像するような真っ赤ではない。「マンダアランチャ」はマンダリンとオレンジの交配で、味もオレンジとみかんの中間、、、といた感じで大きさはみかんに近い。マンダリーノはほぼみかん、と思って良い。

ブラジリアーノは早熟で11月中旬から市場に出回る。実際、今日見かけたものもブラジリアーノだった。タロッコの旬は12月下旬からと少し遅い。

個人的にはオレンジとして食べるなら「ブラジリアーノ」、スプレムータ(フレッシュジュース)として飲むならタロッコが好きな私。今日はブラジリアーノとマンダアランチャを買ったのだがなんと、3キロで2.5ユーロ。日本では考えられない価格だ。

ドミンゴ家のオレンジ達もそろそろ収穫が近くなってきた。ドミンゴ家にはブラジリアーノが1本、そしてタロッコの木が2本あるが、これがまた驚くほど実を付けてくれる。今年は特にタロッコが豊作だ。収穫が始まったらオレンジジャムも大量に作ってみようかと思っている今年。今から楽しみだ。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-05 23:48 | シチリア・旬の食材

収穫したオリーブオイルを絞る

さて、ドミンゴ家で収穫したオリーブは家でオイルにする??

オリーブオイルを造るための搾油所は個人レベルで揃えられる設備投資ではない。(数千万~億単位のところも)なので、市の中にいくつか、共同の搾油所がある。これも市営ではなく個人で経営されているのだが、そこに持っていってオイルにしてもらい、それを自ら引き取りにいくシステムだ。ドミンゴ家は畑から車で約10分ほどのところにある搾油所に毎年持っていく。

f0226106_23225358.jpg


小さくコンパクトながらなかなか清潔な感じがするフラントイオ(搾油所)だ。

ここに持っていくと、まずは大きな入れ物にオリーブは移される。

f0226106_23271271.jpg


後は自分の番が来るのを待つ。一応電話で予約を入れてから行くものの、待ち時間は長い。

f0226106_23284678.jpg


ひたすら待つ、待つ。待ち時間を利用して、よそ様のオリーブを覗いたり、搾油システムをじっくり見学したり。

最近のフラントイオは完全真空システムをとっているところが多いため、オイルができるまでの途中経過が見れないところも多い。ところがこういう村のフラントイオは10年以上前の機械を使っているところも多いため、途中経過がチョロチョロと覗けるところも面白い。例えばここ。↓

f0226106_23333113.jpg


オイルを抽出するのには2つの違うタイプの遠心分離機にかけるのだが、これは第一段階の遠心分離機にかけた後。奥がオリーブの中に含まれる水分で、手前がオイルだ。通常、この辺もフタがしてあったりして見えないところだが、いかに水分の量が多くオイルの量が少ないか、お分かりいただけることであろう。

そして待つこと約1時間半。私達の番がやってきた。

f0226106_23374820.jpg


大きな入れ物2個分、約1000キロのオリーブだ。

f0226106_2339447.jpg


オリーブはまず、枝や葉を取る機械にかけ流水で洗浄。その後、オイルと水分を分離しやすくするために攪拌される。攪拌中にはどこに誰のものが入っているかわからなくならないよう、名前が書かれている。その後、2回の遠心分離を経てようやくオイルとなって出てくる。その間約40分程度、、、、。

f0226106_23443449.jpg


絞りたてのオイルはこんなに美しい色をしている。そして絞りたてオイルは温かく最初出てくるときには湯気が見える。緑とも黄色とも言えない絞りたてエクストラ バージン オリーブオイルは、まだ少し濁っている。これをしばらくタンクに入れて放置して自然ろ過させる。いわゆるノンフィルター方式だ。

オリーブオイルが出るのを、持ち帰りようの小さなタンクに詰めながら見ること約30分。至福の時間だ。

こうして出てきたオイルは今回の分だけで165リットル。車に乗せて家に持って帰り、大きなタンクに移すのだ。

f0226106_23534149.jpg


今年、ドミンゴ家で収穫したオリーブから絞られたオリーブオイルは総量で225リットル。このオリーブオイルは売るわけではないので、一家で消費するオリーブオイルの量としては十分すぎるくらいの量だ。

こうして今年のオリーブ収穫は終了した。

この時期、シチリアの田舎をドライブしていると、あちらこちらでオリーブの収穫風景に出会う。それは大半が家族で使うオリーブオイルの収穫だ。シチリアの人達にとってはオリーブオイルは非常に身近な存在であり、自家製オリーブから絞ったエキストラ バージン オリーブオイルを使っている家庭も少なくない。彼らにとっては当然、

「オリーブオイル=エキストラ バージン オリーブオイル」

であり、日本でいうところの「オリーブオイル(かつては”ピュア”と呼ばれていた)」の存在を知らない人も多い。そして、エキストラ バージン オリーブオイルが家庭に大量にあるわけだから、あえてスーパーでサラダ油を買ったりなどもあまりしない。なんという贅沢なんだろうか。

お金では買う事のできない「贅沢」を垣間見ることが多いシチリアでの生活。こういうことが本来の豊かさなのでは、、、、と、考えさせられる今年のオリーブ収穫であった。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-03 23:16 | オリーブオイルのお話

1年に1回の伝統行事!家族で行うオリーブの収穫@ドミンゴ家

f0226106_19124690.jpg


久しぶりの更新となったのは、この時期、オリーブの収穫で忙しかったから。

私のパートナーの家族、ドミンゴ家には150本のオリーブの木を所有している。毎年、この時期になると家族総出で収穫をし、家族と親戚が使う分のオリーブオイルを造るのだ。

今年、召集がかかったの10月下旬の日曜日。その日はあいにく都合が悪くて参加できなかったが、150本のオリーブの木の収穫はすべて手摘みで行われるため、到底1日では終わらない。今年は計4日かかっての収穫となった。

小高い標高200メートルほどの丘にあるオリーブ畑は、あたり一面の絶景。空気もとっても澄んでいて体が浄化される気さえする。

朝7:30、各自それぞれでオリーブ畑へ向かう。収穫の時に下に敷くネットや収穫したオリーブを入れるためのケースを持ってくるのはパパの仕事。マンマはパニーニ、フルーツ、水などのお弁当をたっぷりと持ってくる。到着した人から収穫を始める。収穫はおしゃべりをしながら、冗談を言いながら、疲れた人は一休みしながら、、、ノンビリと和やかな雰囲気で行われる。

f0226106_19182193.jpg


この日収穫した場所は、パパのそのまたお父さんが80年前の植えたというオリーブの木。150本のオリーブの中には、ここの畑の様にパパのお父さんが植えたもの、パパが種から生えてきたオリーブを接木して植えたもの、苗を買って植えたもの、、、などなど、様々なオリーブの木が植わっている。

「オリーブの木は僕の子供だからね」

というパパは、この畑がある土地で生まれて、このオリーブの木達と一緒に人生を歩んできた。パパはどんなに辛い時でも、オリーブの木が元気な実を付け、スクスク育っていくのを見ると、がんばろう、という気になった、と語っていた。

f0226106_1924425.jpg


そしてオリーブの木は今年も宝石のようにキラキラと輝く実を付けてくれた。

f0226106_19162518.jpg


朝早くから収穫を始めていたパパと孫のダリオはちょっと一休み。

毎年、なんだかタイムスリップしたような、映画のワンシーンをみているかのようなドミンゴ家のオリーブの収穫。

f0226106_19285714.jpg


11:00頃になると、

「ゴハンよ~」

というマンマの掛け声で、オリーブ畑でのピクニックが始まる。

色々な種類のサラミ、プロシュット、チーズ、、、、それに大量のパン。各自が自分で好きなものを挟んでパニーニを作って食べる。食後にはフルーツ、そしてカッフェ(!)もきちんと持ってきているところが、さすがイタリア。

食べ終わって一休みすると、誰からともなく、また収穫に戻って行く。

こうして午後4時まで収穫は続き、1日の収穫が終わる。1日に大体30本~40本くらいが収穫できるから、収穫は大体4日~5日。毎日連続で収穫するわけでもなく、期間と収穫日数は毎年、実の付き方と天候によってそれは変わる。

1年に1回のオリーブ収穫は言ってみればお祭り。ランチがオリーブ畑でパニーニと軽いこともあるが、収穫後の夜ご飯には、ご馳走が待っている。これがいわゆる「収穫祭」であったのだろう。今年も実がたくさん成ったことを祝し、そして皆が元気で収穫できることに感謝する。東京に住んでいるときにはこんな事は考えもしなかったことだ。そして、ご馳走をきちんと早朝に用意してから皆と一緒の時間にオリーブ収穫にやってくるマンマにも感謝する。

家族での収穫は、生産者のところで行われる収穫とはまた一味違って非常に楽しみな行事の一つ。80年、オリーブと共に生きるパパとのオリーブ談義はとても楽しく、本当に勉強になる。先人の知恵というものは素晴らしい。私にとってはオリーブを肌で感じ、そしてシチリアを肌で感じることができる、大きな意味を持つドミンゴ家のオリーブの収穫。今年も参加できたことに感謝。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-11-02 19:43 | オリーブオイルのお話