「ほっ」と。キャンペーン

<   2011年 12月 ( 5 )   > この月の画像一覧

イタリア式 クリスマスの過ごし方 2011

2011年のクリスマスも無事に終了した。

毎年同じような事をかいている気もするが、クリスマスはイタリアでは「キリストの降誕を祝う日」。そして「家族全員で過ごす日」という重要な意味もあるのである。イタリアのテレビニュースを見ているとこの時期旅行に出かける人も沢山いるようだが、シチリアでは家で家族でクリスマスの前日(イブ)~26日の祝日までを過ごす人が多いようだ。実際、私の身の回りでも旅行に出かけた人は皆無。

私はトラーパニの地にやってきてから、1回だけビザの関係で日本で過ごしたクリスマスを除き、毎年ドミンゴ家でファミリークリスマスを過ごしている。

「お食べ地獄だ~!」

と、言いながら、実をそれを楽しんでいる感じもあったりして。

毎年15人ほどが集まるドミンゴ家のクリスマスだが、今年は末息子がお嫁さんの実家で過ごした事、去年参加した親戚家族に不幸があって今年は参加しなかった事、、、などなど、色々な理由から全部で6人という私がトラーパニにやってきてから一番少ない人数でのお祝いとなった。が、24日の夕方にドミンゴ家に行って驚いた、、、

一体何人分なの!?

というほどの食事が準備されていたのだ!

今年は珍しく北のクリスマス料理「カッペッレッティ」が準備されていた。24日、本来は魚を食べる日、、、と言われているのだが、ここのところちょっと寒いトラーパニ。暖かいスープで温まろう!というマンマの気遣いだ。

f0226106_22584862.jpg


そしてやはり忘れてはならないのがバッカラフリット。

f0226106_2313063.jpg


バッカラはほとんど自分では調理しない料理。私の中では「12月24日にマンマの家で食べる料理」という位置づけだ。マンマのバッカラフリットは塩が絶妙な具合で抜いてあるバッカラをセモリナ粉をつけてカラリと揚げた絶品の一皿。写真はみんなが突っついた後に取ったもので随分数が減っていたが、実際にいくらでも食べられてしまいそうなところが恐ろしい、、、。

この日はこのほか、サルシッチャ、牛肉のグリル、茹で野菜、カルチョーフィの蒸し煮などなど、セコンド料理がたくさん準備されていた。ワインは、マンマの娘の旦那が毎年カンティーナの樽から直接瓶詰めして持ってきてくれる極上ワイン。娘の旦那の仕事はワイン醸造家。時折、醗酵中のワインや、フィルターに通す前のワインなどを持ってきて味見をさせてくれる。今年のワインはシラーとネーロ ダヴォラのブレンド。今年の新作だそうだ。

こうして、25日を前にしてまずはお祝い。そして一緒に時を過ごしながら25日を迎える、、、0:00になると

「Auguri!!(アウグーリ!)」

と、お祝いの挨拶とBacio(キス)を交わすの習慣だ。そして、その後は眠くなったら退散。私達はこの日、飲みすぎたせいか、既に眠気が襲ってきていたのですぐに退散した。

そして翌日。またしても同じメンバーで集まる。イタリアでは12月25日のお昼がクリスマス本番。この日に家族で集まって食事をするのが伝統だ。

シチリアではアンティパストを家で食べる習慣があまりなく、ドミンゴ家でもごくごく簡単なアンティパストの後、すぐにプリモが準備される。今年のプリモはカンネッローニ。

f0226106_23123021.jpg


クレープ生地で作るマンマのカンネッローニは本当に美味しい一品。一枚一枚丁寧にクレープを焼き、2日がかりで作るカンネッローニにマンマの愛情を感じる。

さて、今年のセコンドはマンマの娘が準備してきた。

f0226106_23153184.jpg


写真は「ロレ」と言われる肉料理。上のソースは野菜を煮込んで作ったものらしいが、マンマ譲りにお手前に拍手。その他、肉のグリル、そして付け合せが3品と、写真はないがこれまた豪勢なクリスマスの食卓で。

そして、パイナップル、マチェドニア、、、、とフルーツが続いた後のとどめがこれ。

f0226106_23192492.jpg


パンドーロという、パネットーネと同じくクリスマスのドルチェをスライスして、カスタード&生クリームでデコレーション。星の形をしたツリー型のドルチェはとってもかわいいのだが、カロリー爆弾であることは言うまでもなく。後ろにはシューやミニカンノーリなど、他のドルチェも控えていた。恐ろしい!と思いつつも、このドルチェ、25日が終わる頃にはほとんどなくなっていた、、、、本当に恐るべしイタリア人の消化力!

毎年毎年、こうしてお食べ地獄の24日、25日を過ごすわけだが、今年は震災があったせいか

「この飽食の時代に、あえてクリスマスにお食べ地獄はどうなのか、、、」

と、常日頃思っていた疑問が強く湧いてきた。そんな話をマンマにしてみると、

「そうね~。でもやっぱり私達にとってはこの日は特別な意味を持つ日なのよ。」

所変われば習慣も変わり、そしてマンマ達の世代は「飽食でない」時代を過ごして来た人達。こうしてご馳走を用意して、家族集まって食事をする事で、毎日きちんと食べてきちんと生活が出来る事に「感謝の念」を抱くのだと言う。私にとってはただの「お食べ地獄」だったが、マンマ達にとっては本当にきちんと意味のある日なのだ、と改めて感じた。

毎日食卓で食事が出来る事、そして普通に生活が送れていることに感謝する、、、こんな気持ちは、どういう形であれ私もマンマも同じであった事に今更ながら気がついた今年のクリスマスだった。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-12-26 23:21 | Festaな食卓

オリーブオイル、やはり奥深し。

今朝、このブログではお馴染みのトラーパニのオリーブオイル生産者アルベルト・ガッルッフォと打ち合わせがてらに朝食を一緒に取った。

打ち合わせの前に世間話をしている間に、話題は

「オリーブオイルのテイスティグ」

という、まじめな話になった。

オリーブオイルは、皆さんご存知の通り

「オリーブを収穫して絞ったジュース」

である。(注:ここで言う”オリーブオイル”とは”エキストラバージンオリーブオイル”のみを指す)

イタリアには数百種類のオリーブの木が植わっていて、その土壌、その年の気候、手入れ方法、そして収穫時期、どのような機械を使ってどのように絞るか、などなど、数え切れないほどの条件によってオリーブオイルの味は大きく変わってくるのである。

「オリーブオイルのテイスティングはね、本当に本当に難しいんだよ。オイルを評価するには、オイルの中から、様々な条件を仮定してどうしてこのような味になったのかを想像しなければならないわけでさ。自分の畑なら自分が管理しているから、絞る前から大体の想像は付くけれど、イタリア国外だったりどんな畑かも分からないようなオリーブオイルを評価するには、本当に長い長い間の経験と訓練が必要とされるんだよ。」

アルベルト曰く、オイルをテイスティングしてすぐに分からない事もあると。そんな時は、30分でも1時間でもじっくりとそのオイルと向き合うそうだ。

と、そんな話になったのは、先月、オリーブの木オーナー制度Venvs et Salvsのオイルをフラントイオ(搾油所)で私一人でテイスティングした、、、という話が発端だった。

確かその時はアルベルトを訪ねて行ったのだが、彼に急用が出来たという事で、フラントイオ稼働中のザワザワした雰囲気の中、一人精神統一を図るべく努力しつつテイスティングをしてみた。そして、昨日、1ヶ月ほど自然ろ過されて瓶に詰められたVenvs et Salvsのオイルを家で静寂の中、一人でテイスティングしてみた。そうしてみたところ、全く印象の違うオイルに感じられたのだ。そこでアルベルトに今年のVenvs et Salvsのオリーブオイルの感想を聞いてみたのだ。それは私が昨日感じた意見とほぼ同じだった。

オリーブオイルのテイスティングはその環境に寄ってもすごく左右されるのだ、と体感した。

アルベルトはオリーブオイルをテイスティングすると、その風景が頭の中に広がってくると言う。どんなところで、どんな土壌で、どんな品種で、どんな気候で、どのように育てられたか。そして、どのくらいの時期に収穫して(どれくらいオリーブが熟していたか)、どのような方法で搾油されて、、、そんな事が頭の中にパパパパっと浮かんでくるらしい。それは彼が自分でオリーブの木を育て、365日オリーブの木と、そしてオリーブオイルと真剣に向かい合っているからだろう。

「オリーブオイルを良く分かるには、訓練が必要なんだよ。」

イタリアの中でもたくさんの名の知れたオリーブオイルテイスターがいるが、その中でも優秀なのは本当に一握りだという。そしてオリーブオイルを理解するには、やはり畑にも足を運ばないと理解する事はできない、とも。何故ならオリーブオイル造りにおいてなによりも大切なのは

「健康なオリーブの実を育てる事」

だからだ。元々のオリーブの状態が良くなければ、どんなに最新のマシーンを使って絞ったからと言って、良質のオリーブオイルができるわけではないから。

知れば知るほど奥が深いオリーブオイル、、、、。オリーブの木は人にエネルギーを与えてくれる不思議な存在だと信じる私。これからもライフワークとして勉強、そして訓練を続けて行きたいものだ。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-12-17 18:14 | オリーブオイルのお話

今年もパネットーネの季節がやってきた。

f0226106_18154964.jpg


今日、今年我が家第1号のパネットーネを買ってきた。

パネットーネはイタリアのクリスマスには欠かせないクリスマスのお菓子のひとつ。今までもブログでも何度と無く紹介してきた。ロンバルディア州のお菓子とも言われているが、今では12月の声を聞くと全国のスーパーで山積みにされている。もはや12月の山積みパネットーネの風景はこの時期の風物詩でもあるのだ。(パネットーネについて詳しくはこちらをご覧いただきたい)

パネットーネはお菓子、、、というよりも、どちらかという「パン」に近い。ブリオッシュのようなすごくリッチな配合のパンに、オレンジの砂糖漬けやレーズンが入ったとってもリッチなパンと言った趣だ。この手のパンが大好きな私は、イタリアに来てすぐの頃は12月になるとパネットーネを買い込み、朝食に、おやつに、デザートに、、、と1日3回パネットーネを食べていた。1kgのパネットーネは2~3日でなくなっていたので、1ヶ月に相当量のパネットーネを消費していたのだろう。

パネットーネは安いもので4ユーロから20ユーロする高級パネットーネまで種類は色々。去年くらいからか、、、、パネットーネ大量消費はやめて、美味しいパネットーネを季節の風物詩としてきちんと味わおう、と思い始めた私。今年の第一号は、シチリア西部では美味しいと評判の「Fiasconaro(フィアスコナーロ)」というメーカーのパネットーネを買ってきた。最近は、ピスタチオ、チョコレート、レモンなど色々なフレーバーのパネットーネが出ているが、私が好きなのはやっぱり干しブドウとフルーツの砂糖漬けが入ったクラシックタイプ。これを食べると「あ~、クリスマスだな~。」という気分になるのである。

パネットーネ自体が美味しい事ももちろんだが、ちょっと洒落た包装も気分を盛り上げてくれるのだ。

今年もクリスマスまでもうあと1週間。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-12-16 18:20 | シチリア菓子・パン

12月13日サンタルチアにはは何を食べる? ~シチリア伝統の食文化~

ブログを始めてからというもの、何度となくアップしてきた12月13日「サンタルチアの日」。この日、シチリアでは

「粉から出来ているものを食べない」

という習慣がある。(それは何故?詳しくはこちらを参照。)

粉から出来ているものと言えば、

・バスタ
・パン

イタリア人の食卓を支える2大食材は食べれない。そこで変わりに食べるものが、

「お米」

なので、サンタルチアの日は

「お米を食べる日」

とも言われているのだ。

さて、シチリアで「米料理」と言って一番に頭に浮かぶもの、、、それは

「アランチーニ」

つまりライスコロッケだ。この日、トラーパニの多くのバールやパン屋では大量のアランチーニが並び、そして人々はそれに群がる。という私も今年はこの群がる者達に紛れてきた。

f0226106_1502963.jpg


私が行ったのは食事スペースがあるBar。奥からは次々とこぶし大のアランチーニの山が運ばれてくる。そしてその山はすぐさま、無くなるのであった。私も横から、

「1個ちょうだい!」

と手渡しでもらい、その場でガブリとかじり付く。熱々の出来立てアランチーニはそれはそれは美味しい。

そしてこの日、もうひとつ食べねばならぬもの、それは

「クッチーア」

丸麦を茹でて色々な味付けをした、食事ともドルチェとも言いがたい一品だ。

f0226106_1564016.jpg


左から、

・ ヴィンコット+オレンジの砂糖漬け
・ リコッタ+チョコレート
・ オレンジ風味

と3種類が用意されてみた。全種類食べてみたが、気に入ったのはリコッタ!一番気が進まなかったものだったが、食べてみると意外と美味しい。

f0226106_245027.jpg


ちなみに、伝統的なのはヴィンコット。ヴィンコトはVino Cotto(ヴィーノ=ワイン、 コット=煮る)、つまりワインを煮詰めてトロトロにした調味料だ。かつてはオレンジの砂糖漬けも入れずにシンプルに茹でた丸麦とヴィンコットでサンタルチアをお祝いしていたという。

生活のスタイルが変わり、家庭ではなかなか見れなくなりつつあるこの習慣だが、こうして街では伝統を残そうとする心意気が素晴らしい。例えそれが「売り上げを伸ばそう!」というお店の思惑であったとしても。

ちなみにサンタルチアの日はイタリアの他の地域ではこのような習慣は無く、「子供にプレゼントをあげる日」と言われる地方もあるようだ。イタリア、と言えど、その土地に寄って随分習慣が変わるのが面白いイタリア食文化だ。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-12-14 02:01 | Festaな食卓

イタリアのクリスマスは12月8日から ~クリスマスのドルチェ・スフィンチ~

f0226106_1741176.jpg


11月から一足お先にクリスマスムードとなる寒い北ヨーロッパ。12月というとまだ「冬」という気分でもないシチリア。それでも12月8日を過ぎると、街はクリスマスムードに包まれ、この日から夜になるとイルミネーションが灯り始める。

12月8日は、「マリアがキリストを受胎した日」と言われている。イタリアではこの日から1月6日の「東方から3博士がキリストの生誕をお祝いに来た日」、エピファニアまでの約1ヶ月間がクリスマスと呼ばれる。トラーパニにはクリスマスに伝わるドルチェが色々とあるのだが、その中でも12月8日に作られるのが「スフィンチ」。

超高加水の醗酵生地をオリーブオイルでひとつひとつ揚げていく。トラーパニでは穴の空いたドーナツ型で揚げられ、マルサラ地方では穴を開けずに揚げる。水分量が多いだけあって形を作ってオイルの中に投入するのがなかなか難しいのだが、トラーパニのマンマ達はいとも簡単に大量にこのスフィンチを作るのであった。今年のドミンゴ家のスフィンチはマンマの孫キアラ(@17歳)が頑張った。全部で2キロあった生地を一人で揚げたそうだ。偉い偉い。

シチリアでは

「この時期にはコレを食べる」

という伝統がまだまだ深く根付いている。12月はそんな食べ物が一年で一番充実している時かもしれない。なぜなら「クリスマス」があるから。

スフィンチは12月8日に作る家庭が多いが、クリスマスシーズン繰り返して作り続けられる。スフィンチはついつい後を引く危険な揚げ菓子、、、食べ過ぎると太ること間違いなし。それでもやはり次のチャンスが待ち遠しいのであった。
[PR]
by lacucinasiciliana | 2011-12-09 17:05 | シチリア菓子・パン