パレルモ市民の胃袋 バッラロ市場を散策する

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「旅に出たら市場へ行け」

市場はその土地でどんなものが食されているか、言葉が分からなくても一目で分かる事ができる便利な場所だ。パレルモにの旧市街にはいくつかの市場があるが、現在、パレルモの市場で一番賑わっているのは中央駅近辺からクワットロカンティあたりまでの裏道に数キロに渡って続いている「バッラロ市場」であろう。

この市場では全てが大胆だ。

野菜の並べ方、肉の切り方、魚の起き方、、、日本では考えられない。例えばこの下の写真。ちょっと見にくいが後ろの大きな山はエビの山。

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肉屋の軒先には羊の半身がぶら下がる。

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そして市場が広がるのは廃墟の中。

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イタリア中、色々なメルカートを回ったが、こんなにエキサイティングな市場が他にあっただろうか、、、。バッラロには「メルカート」という日本人的にはどことなくステキな印象を与える言葉すら似合わない。このものすごい活気と熱気にあふれる場所は、「メルカート」ではなく「市場」という言葉が似合う。

イタリアにいる、、、とは到底思えないこのカオス感漂うバッラロ市場。パレルモ観光の際には是非訪れていただきたい場所のひとつだ。ただし。決して安全な場所とは言えないので、大切なものは持ち歩かないようにして、手持ちのバッグやカメラには十分注意しつつ観光していただきたい。
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# by lacucinasiciliana | 2012-12-01 00:10 | シチリア・旬の食材

のどかな秋の塩田

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11月下旬なのに、秋、、、と呼べないほど、まだまだ暖かい今年のシチリア。それでも風景は着々と冬の準備へと向かっている。

真っ青な空が広がるこの日の塩田は珍しく無風地帯だった。2000年以上前、地中海の民フェニキュア人は干潟になっていて元々塩分の濃度が高く、そして常に強風が吹荒れるトラーパニ~マルサラにかけての沿岸で塩作りを始めた。塩水を乾かすのに強風は欠かせない要素であり、実際、塩田近くに来ると常に強い風が吹いている。こんなに風がない塩田は初めてだったかも知れない。

穏やかな塩田。そこには、瓦で覆われて冬に向けての準備万端の塩の山があった。

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無風が故、まったいらな水面には空の雲が映し出され、なんとも言えずのどかな光景。そろそろ12月。気温はポカポカでも塩田も冬に向けて準備万端だ。
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# by lacucinasiciliana | 2012-11-27 01:46 | シチリア・旬の食材

ウチのオリーブオイル2種をテイスティングする

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11月上旬に収穫した我らが25本のオリーブの木。農園には「チェラスォーラ種」と「ノチェッラーラ種」という2種類の木が植わっていて、それぞれを別に収穫してそれぞれ単一品種のオイルを絞った。

オリーブオイルはワインと同じく、同じ品種でまずはオイルを絞る。ブレンドはその後だ。私は個人的趣味からすると、ブレンドしたオリーブオイルよりも単一品種のオリーブオイルのほうが好み。何故なら、その品種が持つ最大限の魅力を味わうことができるからだ。

我が家の2種のオイルをテイスティングしてみた。

まずはチェラスォーラ種。まず香り。チェラスォーラ種の典型的な香り、「カルチョーフィ(アーティチョーク)」の香りを強く感じる。そして青い草、青いオリーブの香り、とにかくフレッシュな緑の香りだ。そして味覚。最初に感じるのは苦味、それを追って辛味が喉にやってくる。鼻からは香りで感じた若い緑の香りがフワっと抜ける。今すぐに使うには非常に強いオイル。今ならレアに焼いた牛肉に合わせるのにピッタリであろう。

そしてノチェッラーラ種。香りは誰がなんと言おうと青いトマト!青いトマトをもいだ時のあの香り、、、まさにそのものだ。じっくり香りを試していると、ほのかな青りんごの香り、青いバナナの香りが後を追って来る。そして口に含んでみる。なんとも言えないフレッシュさ!通常、ノチェッラーラ種はかなり強い辛味を感じるはずなのだが、辛味は穏やか。苦味と辛味がこんなに穏やかなノチェッラーラ種のオイルは初めてだ。

アルベルト氏に聞いてみると、

「トラーパニ周辺で収穫されるノチェッラーラ種は比較的辛味も苦味も弱いんだよ。」

ノチェッラーラ種と言えばトラーパニから南に約50キロ行った、シチリア西南部のカステルヴェトラーノ。そこで収穫されるノチェッラーラ種のオイルは苦味も辛味も絞り立ては非常に強い。その違いはおそらく土壌であろう。我が家のノチェッラーラ種のオリーブオイルは、サラダや魚のグリルにピッタリのフレッシュな味わいだ。

2種のオリーブオイルは現在、ステンレスのタンクの中に眠っているが、少しだけ持って帰ってきて毎朝テイスティングをしている。収穫して搾油してから約2週間が経つが、これが面白いことに早くも変化を始めてきているのだ。最初は苦味をすごく強く感じたチェラスォーラ種は、少しずつ苦味が落ち着いてきている感じがする。

オリーブオイルは生き物。これから少しずつ変化していくオリーブオイルを1年間観察していくのが楽しみだ。
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# by lacucinasiciliana | 2012-11-14 20:43 | オリーブオイルのお話

無農薬ワインを造り続ける真摯なカンティーナ「Di Giovanna(ディ ジョヴァンナ)」

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先日、お客様からのリクエストでとあるカンティーナに行ってきた。

行ったのはアグリジェント県にあるサンブーカ ディ シチリアという小さな街。その近郊の丘の上にある「Di Giovanna(ディ ジョヴァンナ)」というカンティーナ。Di Giovannaはオーナー一家の苗字だ。

サンブーカ ディ シチリアの近くには、かの有名なプラネタのカンティーナやブドウ畑もあり、ブドウ栽培が盛んな地域である。Di Giovannaはこの街の近くの400m~800mと標高の高い場所に無農薬でブドウを栽培している。

まずはサンブーカ ディ シチリアの街で待ち合わせ。待っていてくれたのは、経営者兄弟の一人、グンテルさん。

「直接カンティーナで待ち合わせでも大丈夫でしたが。」

という私に、

「いやいや、カンティーナは君たちだけじゃ辿りつけないよ。」

と笑うグンテルさん。その意味はその後に分かった。

道は比較的きちんと整備されているものの、小さな看板を見逃してしまったら絶対に辿りつけない、、、そんな場所にカンティーナはあった。

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まずはブドウ畑の説明から。

ブドウ畑は、前列からシャルドネ、カベルネ、ネーロ ダヴォラ、ソービニヨン ブラン、、、、という具合で横一列に植わっているとのこと。この畑は約400メートルの高さにあるらしいが、朝と夜の気温の差が大きいため、昼にしっかりと太陽を浴びたブドウ達は夜には休む事が出来、またその温度差がブドウの糖度を上げるのに具合がいいそうだ。写真のブドウ畑のから続く山もグンテルさん一家の持ち物だそうで。

「山全体が自然保護区に認定されているからね。他の人が畑や建物を作ることも出来ないから、他の畑から農薬が飛んでくる事もないんだよ。」

シチリアのブドウの収穫は早く、ブドウ達は跡形もなく収穫されていたが、少しだけ残っていたシャルドネの実を食べてみた。干しブドウにはなっていなかったが、その実は驚くほどに甘かった。

さて、続いてカンティーナの内部へと続く。

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非常に最新のシステムが導入されていて、思ったよりも規模が大きい。グンテルさんは、ワインの造り方を隠す事なくイチからジュウまで語る。無農薬の法律の事や、酵母のことも、非常に詳しく話してくれ彼の誠実さが伝わってきた。

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地下に行くと今年のワインを待っている樽が並んでいた。

通常は見学を受け付けていないというこのカンティーナ。試飲スペースは特別用意されていない。そして時間はお昼前。

「今ここで、皆、空腹のまま試飲しても、僕たちのワインの美味しさを味わってもらえないと思うんだ。好きなワインを持っていって、さっき予約しておいたトラットリアで料理と一緒に味わってみて。」

色々なワインを頂きカンティーナを後にする事となった。

さて、サンブーカ ディ シチリアの近くにある小さなトラットリアに到着。私達がここで選んだのはネーロ ダヴォラのロゼ。

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最近、シチリアではロゼ造りがちょっとした流行になっているが、Di Giovannaのロゼは非常に香りが高い。魚にも肉にも合う感じだ。

ワインは生産者に会って話を聞いてから味わうと、ただ単にワインを味わうだけよりもなんだか美味しい感じがする。それはきっと生産者の想いがワインにこもっていることを感じられるからであろう。Di Giovannaのロゼワインも生産者の性格同様、非常に実直な味がした。

Di Giovannaのワインは日本のワインインポーターのネットショップで購入が可能だ。興味のある人は是非一度飲んでみていただきたい。

■ eurovin(エウロヴァン) ホームページ → http://www.eurovin.co.jp/main/index.html
■Di Giovannaのページ → http://www.eurovin.co.jp/winery/giovanna.html
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# by lacucinasiciliana | 2012-11-09 01:29 | シチリアワイン

たくさんの事を学んだ自分達で運営するオリーブの収穫

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4連休だった今週末、トラーパニ近郊ではオリーブの収穫が一気に始まった。

通常は9月上旬に降り始める雨が9月末まで全く降らない、、、という完全な雨不足だった2012年の夏。10月に入ってからまとまった雨が降り、オリーブも救済されたのだが、その分収穫が遅れた。通常ならば10月始めから始まるトラーパニ近郊のオリーブ収穫だが、今年は11月に入ってから本格的に始まったのだ。

今年からドミンゴパパから引き継いでパートナーのC氏と私で管理する事になったオリーブ農園の収穫も例に漏れず、10月の雨のおかげでグングン実が大きくなり収穫時を迎えた。

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写真では既に黒く熟しているオリーブも見えるが、全体的にはちょっと青いかな?あと数日待ってもいいかな?というところで収穫。個人的には苦味も辛味も強めのオイルが好きだからだ。

25本のオリーブの木は朝8時~夕方4時まで8時間、7人の手によって全て収穫した。合計約800キロ。オリーブ摘みのプロの手にかかれば3人で1000キロ以上のオリーブを1日で摘むことができるという。7人のうち本格的な戦力となったのは約4人だったので、第1回目の収穫としてはまずまず合格だろう。

今まで多くのオリーブ農園の収穫を手伝ってきたが、「オリーブ収穫」と一言で言っても、色々な要素を考えなければいけない。収穫時期決定、道具の準備、人数集め、お昼の準備、フラントイオ(搾油所選び)、、、、自分達で運営するとなるとこれまた一仕事だ。しかし、そんなところから学ぶ事も多く、たくさんの新たな発見があった1日。オリーブの収穫と共に、オリーブに関する多くの体験を収穫した1日でもあった。

さて、肝心のオリーブオイルは、、、というと。

これがまた素晴らしい2品種のオリーブオイルができた。それに関してはまた後日、別のエントリーで。
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# by lacucinasiciliana | 2012-11-04 21:44 | オリーブオイルのお話