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1年に1回の伝統行事!家族で行うオリーブの収穫@ドミンゴ家

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久しぶりの更新となったのは、この時期、オリーブの収穫で忙しかったから。

私のパートナーの家族、ドミンゴ家には150本のオリーブの木を所有している。毎年、この時期になると家族総出で収穫をし、家族と親戚が使う分のオリーブオイルを造るのだ。

今年、召集がかかったの10月下旬の日曜日。その日はあいにく都合が悪くて参加できなかったが、150本のオリーブの木の収穫はすべて手摘みで行われるため、到底1日では終わらない。今年は計4日かかっての収穫となった。

小高い標高200メートルほどの丘にあるオリーブ畑は、あたり一面の絶景。空気もとっても澄んでいて体が浄化される気さえする。

朝7:30、各自それぞれでオリーブ畑へ向かう。収穫の時に下に敷くネットや収穫したオリーブを入れるためのケースを持ってくるのはパパの仕事。マンマはパニーニ、フルーツ、水などのお弁当をたっぷりと持ってくる。到着した人から収穫を始める。収穫はおしゃべりをしながら、冗談を言いながら、疲れた人は一休みしながら、、、ノンビリと和やかな雰囲気で行われる。

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この日収穫した場所は、パパのそのまたお父さんが80年前の植えたというオリーブの木。150本のオリーブの中には、ここの畑の様にパパのお父さんが植えたもの、パパが種から生えてきたオリーブを接木して植えたもの、苗を買って植えたもの、、、などなど、様々なオリーブの木が植わっている。

「オリーブの木は僕の子供だからね」

というパパは、この畑がある土地で生まれて、このオリーブの木達と一緒に人生を歩んできた。パパはどんなに辛い時でも、オリーブの木が元気な実を付け、スクスク育っていくのを見ると、がんばろう、という気になった、と語っていた。

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そしてオリーブの木は今年も宝石のようにキラキラと輝く実を付けてくれた。

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朝早くから収穫を始めていたパパと孫のダリオはちょっと一休み。

毎年、なんだかタイムスリップしたような、映画のワンシーンをみているかのようなドミンゴ家のオリーブの収穫。

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11:00頃になると、

「ゴハンよ~」

というマンマの掛け声で、オリーブ畑でのピクニックが始まる。

色々な種類のサラミ、プロシュット、チーズ、、、、それに大量のパン。各自が自分で好きなものを挟んでパニーニを作って食べる。食後にはフルーツ、そしてカッフェ(!)もきちんと持ってきているところが、さすがイタリア。

食べ終わって一休みすると、誰からともなく、また収穫に戻って行く。

こうして午後4時まで収穫は続き、1日の収穫が終わる。1日に大体30本~40本くらいが収穫できるから、収穫は大体4日~5日。毎日連続で収穫するわけでもなく、期間と収穫日数は毎年、実の付き方と天候によってそれは変わる。

1年に1回のオリーブ収穫は言ってみればお祭り。ランチがオリーブ畑でパニーニと軽いこともあるが、収穫後の夜ご飯には、ご馳走が待っている。これがいわゆる「収穫祭」であったのだろう。今年も実がたくさん成ったことを祝し、そして皆が元気で収穫できることに感謝する。東京に住んでいるときにはこんな事は考えもしなかったことだ。そして、ご馳走をきちんと早朝に用意してから皆と一緒の時間にオリーブ収穫にやってくるマンマにも感謝する。

家族での収穫は、生産者のところで行われる収穫とはまた一味違って非常に楽しみな行事の一つ。80年、オリーブと共に生きるパパとのオリーブ談義はとても楽しく、本当に勉強になる。先人の知恵というものは素晴らしい。私にとってはオリーブを肌で感じ、そしてシチリアを肌で感じることができる、大きな意味を持つドミンゴ家のオリーブの収穫。今年も参加できたことに感謝。
by lacucinasiciliana | 2011-11-02 19:43 | オリーブオイルのお話
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